16:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)[sage saga]
2011/12/23(金) 02:29:41.08 ID:c4Axoe8J0
期末試験が始まった。
試験期間中もマミはなるべく時間を作って街をパトロールするようにはしていたが、さすがに普段と同じというわけには行かなかった。
「あまり無理はしないほうがいいよ、マミ」
気遣ってくれているのか、キュゥベえがいつもと表情こそ変えないものの、そんな言葉をたびたび口にした。
「大丈夫よ。ありがとう、キュゥベえ」
無理をするなと言われるたび、マミは決まってそう答える。
しかし、実際は相当の披露が蓄積していることを本人も十分承知していたのだった。
(見えない敵を相手にするというのは、想像以上に応えるわね……。本当は試験勉強なんかやっている場合じゃないのかも知れないけど)
期末試験も終わろうとしていたある日の放課後、一人図書室で自習をしていたマミは、ペンを走らせる手を止めて窓の外に目をやった。
試験期間前から続く梅雨空を背に、見滝原の街並みがシルエットのように浮かび上がっている。
雨は小やみになっているようだったが、帰るころにはまた降り出すかも知れないとマミは思った。
(ノート……夏休みまでに返そうと思っていたんだけど)
マミは手元に置かれている灰色のキャンパス・ノートに目を落とした。
表紙には小さな小さな文字で「青梅あき」と記名されていた。
(私、頑張ったんだから)
そっと表紙に触れ、マミは目を閉じる。
(そう言えば、あの日はあの子がこの席に座ってたのね……)
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