17:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)[sage saga]
2011/12/23(金) 02:30:30.34 ID:c4Axoe8J0
それは5月の中頃のことだった。
昼休み、いつものように一人で図書室にやってきたマミは、お気に入りの窓際の席が誰かに取られているのを見てほんの少しがっかりした。
(あ、先客だ)
18:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)[sage saga]
2011/12/23(金) 02:31:48.98 ID:c4Axoe8J0
「うわぁ。やっぱり外は気持ちいいね、マミ」
屋上のベンチに腰掛けたあきは、空を見上げながら気持ちよさそうに伸びをする。マミはその様子を見ながら、くすっ、と笑った。
「本当に変わらないのね、あき」
19:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)[sage saga]
2011/12/23(金) 02:32:29.93 ID:c4Axoe8J0
「ねえ、マミも勉強してみない?イタリア語」
そろそろ戻りましょうか、とマミが促そうとしたとき、あきが唐突に言った。
「え?」
20:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)[sage saga]
2011/12/23(金) 02:33:05.42 ID:c4Axoe8J0
その夜。
「危ないマミ!」
キュゥベえの声で、マミはすぐ脇に迫っていた使い魔の攻撃をかろうじてかわした。
21:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)[sage saga]
2011/12/23(金) 02:34:28.26 ID:c4Axoe8J0
「ふう……」
マミは変身を解くと、大きく息をついた。
「どうしたんだいマミ?」
22:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)[sage saga]
2011/12/23(金) 02:34:59.05 ID:c4Axoe8J0
(それにしても……今日も「はずれ」だったわね)
マミにはむしろそのことが気がかりだった。
確証はなかったものの、先日路地裏で相対した使い魔を送り込んで来た相手こそ、目下その行方を追っている、二人の中学生を自殺に追い込んだであろう魔女だと睨んでいた。
23:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)[sage saga]
2011/12/23(金) 02:35:51.46 ID:c4Axoe8J0
「あ、巴さん」
期末試験最終日。エントランスに向かうために保健室の前を通り過ぎようとしていたマミは、中から出てきた誰かにそう呼び止められた。
「今、帰り?」
24:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)[sage saga]
2011/12/23(金) 02:36:34.47 ID:c4Axoe8J0
女生徒がマミに話してくれたところによると、保健室で寝ていたMという少女は、このところずっと様子がおかしかったのだという。
「で、今日は試験中に気分が悪いからって抜け出して保健室。さっき話した感じじゃ、大したことはなさそうだったけど」
「もともと身体が弱いの?あの子」
25:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)[sage saga]
2011/12/23(金) 02:37:25.65 ID:c4Axoe8J0
その日の午後。マミは一人で(正確にはキュゥベえを引き連れて)繁華街をぶらついていた。
「学校の試験とやらも終わったんなら、少しは息抜きをしたらどうだい」
と言うキュゥベえの言葉に従ったのだった。
26:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)[sage saga]
2011/12/23(金) 02:38:34.01 ID:c4Axoe8J0
試着室の中では、ライトブルーのキャミソールを試着したマミが、鏡を前に考え込んでいた。
(ううん……デザインは、とても素敵だと思ったのだけれど)
(私には似合わないのかしら……。人が着ているのを見たらきっと綺麗だと思うのに、自分だと何だか気後れしてちゃってダメだ)
27:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)[sage saga]
2011/12/23(金) 02:39:29.44 ID:c4Axoe8J0
結局キャミソールをあきらめたマミは、書店に立ち寄った後、駅の近くの小さなカフェに入った。
「ここの紅茶はとても美味しいのよ。それにマドレーヌも」
「へえ、マミがそう言うということはよほどなんだろうね」
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