72:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)[sage saga]
2011/12/23(金) 03:37:20.46 ID:c4Axoe8J0
「いや、それはないだろうね」
「え?」
「確認するけれど、君のその友人は、この見滝原の住人なんだね?マミ」
73:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)[sage saga]
2011/12/23(金) 03:38:16.25 ID:c4Axoe8J0
「僕の推測はこうだ。始まりの魔女はおそらく、昨日佐倉杏子に倒された奴だろう」
「始まり……?」
「そうさ。昨日の魔女がどこからやってきたのか、僕には分からない。だけど、マミ、僕たちがこれから倒さなくてはならない魔女がどうやって生まれたかなら想像がつく。あれは、昨日の魔女が産み落とした使い魔が成長したものだ」
74:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)[sage saga]
2011/12/23(金) 03:39:12.77 ID:c4Axoe8J0
「ど、どうしてって……。そんな嘘、つく必要ないじゃない……」
「どうだろうね。ただの家出だと思っているとしたら?人間というのは、身内のそういう行動を隠したがるものじゃないのかな」
「そ、そんなこと……」
75:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)[sage saga]
2011/12/23(金) 03:39:48.89 ID:c4Axoe8J0
マミは返事をしなかった。
わずかに俯いたまま、何もない虚空をだだ見つめている。
「……?どうしたんだい、マミ。準備はいいのかい」
76:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)[sage saga]
2011/12/23(金) 03:41:16.82 ID:c4Axoe8J0
崩れ落ちた壁や屋根の隙間から、雨風が容赦なく入り込んでくる。
佐倉杏子はかろうじて濡れずに済む場所に腰掛けて、かつて父親のものだった教会の中を見渡していた。
77:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)[sage saga]
2011/12/23(金) 03:42:07.70 ID:c4Axoe8J0
「いきなり酷いじゃないか、佐倉杏子」
いつの間にか、キュゥべえが現れていたのだった。
「僕に何か恨みでもあるのかい」
78:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)[sage saga]
2011/12/23(金) 03:42:59.15 ID:c4Axoe8J0
杏子が話に食いついてきたと見て、キュゥべえは状況を説明した。
しばらくのあいだ杏子は黙って聞いていたが、やがて苛ついた様子で口を挟んだ。
「ちょっとちょっと。そんな話、あたしに聞かせてどうすんのさ。要するに、マミの奴の問題だろ。追っかけてた魔女に自分の親友がとって食われたってんなら、つまりは仇じゃねえか。あたしなら真っ先に飛んでって片づけてやるところだけど、何でそうしないのさ、あいつ」
79:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)[sage saga]
2011/12/23(金) 03:44:01.32 ID:c4Axoe8J0
キュゥべえはきっぱりと言った。
その物言いにまたしても苛立ちを覚えた杏子は食ってかかった。
「はあ?何でそんなことが言えんのさ」
80:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)[sage saga]
2011/12/23(金) 03:44:51.94 ID:c4Axoe8J0
「おい」
ドスの利いた杏子の低い声が、真っ暗な教会の中に響きわたった。
「てめえ、何を考えてやがる……?いや、そんなことはどうでもいい。どっちにしろ、あたしが手を貸すと思うか?もし、マミの奴の安否を持ち出せばあたしが動くとでも思ってんなら……」
81:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)[sage saga]
2011/12/23(金) 03:45:33.45 ID:c4Axoe8J0
自分をにらみつける杏子の視線に物怖じする様子もなく、キュゥべえは話を続ける。
「もちろん、今回の件を独力で解決できるなら、見滝原は当分マミのテリトリーであり続けるだろうね。でも、君の手を借りなければならないようなら話は違ってくる。そんなことになれば、そう遠くない将来、マミは魔法少女を続けられなくなるだろうと僕はにらんでいる。さっきも言ったとおり、彼女を戦いに駆り立てているのは使命感だ。それは、君のように私利私欲で戦っている魔法少女が決して持つことのない強さを、マミに与えてきたわけだが―今回のように、使命感だけでは割り切れない事態に遭遇した途端、あっさりと機能しなくなる。魔法少女としては致命的な弱さを同時に抱えているということでもあるんだ」
「……」
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