320:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank)[sage saga]
2012/01/11(水) 00:32:28.79 ID:83RZktFxo
部屋の中では、巴マミが眠っていた。
とても穏やかな顔をして。
起こしてはいけないと、そう思わせるような雰囲気を纏って。
そんな彼女を見て固まる私をよそにして。
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2012/01/11(水) 00:33:07.55 ID:83RZktFxo
そう言ってまどかは、巴マミの手を取った。
取った手を握って目を瞑る。
それしか出来ないとしても、出来ることはすべてやるんだと言わんばかりに。
その手に重なる手が二つ。
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2012/01/11(水) 00:34:09.30 ID:83RZktFxo
そしてそれは間違いだったと、思い知った。
諦めていれば傷つかないなど、大嘘だった。
彼女の死に直面するたびに、私は荒れて、でもその全てを無理矢理に押し殺していた。
どうでもいいのだから問題ないと、そんなことを言い聞かせていた。
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2012/01/11(水) 00:36:42.86 ID:83RZktFxo
志筑仁美は関わらないと言った。
だから残っているのは、杏子。
彼女もまた、こちらへと歩いてきた。
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2012/01/11(水) 00:37:40.91 ID:83RZktFxo
甘えに甘えたその言葉は、きっと昔の私ではとても言えないのだろう。
視線は巴マミに向けて動かさないから、杏子がどう反応したかは見えない。
そんな甘えに対する彼女の返事は少し経ってからだった。
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2012/01/11(水) 00:38:25.54 ID:83RZktFxo
「夢を見ていたの」
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2012/01/11(水) 00:39:23.32 ID:83RZktFxo
「そしてそれでも、私の心は凍らなかった。何かに支えてもらってとても温かかった」
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2012/01/11(水) 00:40:36.76 ID:83RZktFxo
結局、下を向いて動かない杏子は、巴マミに抱き寄せられていった。
その慌て振りといったらなかったが、気持ちは分かり過ぎるくらいに分かるから、からかいようもない。
興奮冷めやらぬといった空気が部屋に満ちている、けど。
私の仕事は、これからだった。
328:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank)[sage saga]
2012/01/11(水) 00:42:43.34 ID:83RZktFxo
私の肩の荷は、もう随分降りている。
魔法少女の真実、その結末、それはもうみんな聞かされていて、そして耐えたのだろう。
あと乗り越えなければいけない壁はたった一つ。
最後の関門を抜けるべく、私は自分の中の知識を整理して、ただ話す。
329:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank)[sage saga]
2012/01/11(水) 00:56:49.58 ID:pcUKEDTyo
私はとてもとても希薄な存在になって、まどかの中に溶けていた。
実在と非実在の狭間で見えたいくつかの事実は、私にほんのわずかな希望を見出させてくれた。
いずれ到来する災厄の魔女との戦いの中に。
だから私は今、この言葉を言うことができる。
330:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank)[sage saga]
2012/01/11(水) 00:57:42.93 ID:pcUKEDTyo
すみませんPC固まって再起動かけてました。
あと数回です。
どうかお付き合い下さい、それではまた。
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