過去ログ - 式「誰だ、オマエ」  太子「聖徳太子です」
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176:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大分県)[saga]
2012/03/26(月) 22:59:23.33 ID:1mjbMqar0
他愛のない会話をしている間にもアルクェイドの手は止まることはなく、どんどん料理は出来上がっていく。
それにしてもアルクェイドが料理を勉強していたなんてちょっと感動する。
前みたいなことも無いだろうし、こっちに住むようになってからアルクェイドもずいぶんと人間らしくなったな。

アルク「志貴〜。ちょっとこっちに来てもらえる」

志貴「なんだ。何か手伝うことでもあるのか」

アルク「うん。こっち向いて口あけて。はい、あーん」

志貴「はい、あーん。って、アルクェイドお前なにやってるんだ!?」

アルク「いいからいいから、あーん」

志貴「アルクェイドさん。これは一体何のまねですか?」

アルク「え?なにって、料理を作っている所に男の人が来たら普通はこうするものじゃないの?」

どうやらまた要らない知識をテレビか何かで仕入れたらしい。
アルクェイドは俺の反応にキョトンとしており、できたての料理を箸でつまんだまま動こうとしない。
テレビを見るなとまでは言わない。が放送されたことを鵜呑みにするのはいい加減やめてほしい。
つまみ食いしに来たことは確かだが、普通つまみ食いとはここまで堂々とやるものではない。

アルク「ちょっと、なんで逃げてるのよ。もしかして私の手料理食べたくないの?」

右に避けても左に避けても箸は俺の口の後を追ってくる。どうやら俺が食べるまでこの行動をやめないつもりらしい。
断ろうにも少し不機嫌ながらも期待に目を輝かせているアルクェイドの顔を見ると何も言えない。
すこし恥ずかしいけど周りに誰もいないし、覚悟を決めるしかないか。
口をできるだけ大きく開け、目の前の料理を口に入れてもらう。

アルク「ねえ、どうかな」

志貴「・・・うん。おいしい」

俺の返事を聞くと、よかったー、と言って嬉しそうに調理に戻った。
正直、食べたことよりあーんの威力が方が大きすぎて味がどうだったのかよくわからなかった。
しかし、舌に残った余韻が今食べたものがただものでないという事を告げている。
口の中に残った味だけでもいつも食べている琥珀さんの料理を食べたような感覚がある。
とすれば味は琥珀さんの料理に劣らない、いや、それ以上ということだろう。
つまりアルクェイドのあーんを除いてもこの料理は非常に美味しいということだ。

贅沢すぎる願いだが、出来れば毎日作ってもらえないだろうか。


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