138: ◆eZUHOxTppE[saga]
2012/01/17(火) 01:47:35.38 ID:3Ackjly40
「あ、綾乃ちゃん。明けましておめでとう、やね」
「うん。明けましておめでとう、千歳」
139: ◆eZUHOxTppE[saga]
2012/01/17(火) 01:49:13.66 ID:3Ackjly40
“友達だから許してくれる”
“今日会ってみれば今まで通りに接してくれる”
140: ◆eZUHOxTppE[saga]
2012/01/17(火) 01:49:55.55 ID:3Ackjly40
教室に向かう足取りは重く、時間が止まればいいのにとすら感じた。
二人の前で、私はどんな顔をすれば良いのだろう?
クリスマスの話題に触れるのが、怖い。
またあの時の気持ちを思い出してしまうのも怖かった。
141: ◆eZUHOxTppE[saga]
2012/01/17(火) 01:50:29.23 ID:3Ackjly40
別に用を足したいわけではなかった。
ただ歳納京子や船見さんと顔を合わせるのが怖い、それだけの理由でとっさに口をついて出た嘘だった。
(私って、ほんと臆病で卑怯者よね・・・)
142: ◆eZUHOxTppE[saga]
2012/01/17(火) 01:51:57.93 ID:3Ackjly40
教室に戻るまでの数分間、冬休みの間に何をしたとか、寒くて嫌だなあとか、そんな他愛のない話をしたけれど、肝心な事は何も言えなかった。
どちらかが意図したのかは分からない。
ただ、私は何となく“話し辛い”と感じてしまってうまく会話が出来なかった。
143: ◆eZUHOxTppE[saga]
2012/01/17(火) 01:53:05.29 ID:3Ackjly40
「綾乃ちゃん? どしたん、そんなに急いで」
「べっ、別に、急いでなんか、ないわよ」
144: ◆eZUHOxTppE[saga]
2012/01/17(火) 01:53:43.59 ID:3Ackjly40
高校、か。
推薦の話を未だ保留にしている私にとって、頭の痛くなる話題だ。
別に決めかねているわけではなかった。
145: ◆eZUHOxTppE[saga]
2012/01/17(火) 01:55:00.55 ID:3Ackjly40
ちょうど高校の話題になって、まるで心を読まれているようで私はドキっとしてしまう。
以前、千歳が『綾乃ちゃんの言いたい事が顔に書いてあるで』などと言っていたのを思い出して、
それがあながち嘘ではないような気がしてくる。
146: ◆eZUHOxTppE[saga]
2012/01/17(火) 01:55:54.17 ID:3Ackjly40
「推薦先のほうは進学校みたいだし」
「せやなぁ」
147: ◆eZUHOxTppE[saga]
2012/01/17(火) 01:56:41.74 ID:3Ackjly40
やっぱり、千歳の前ではお見通しか。
私は観念して、クリスマスの日の事をゆっくりと話し始めた。
突然、電話で映画に誘われたこと。
148: ◆eZUHOxTppE[saga]
2012/01/17(火) 01:57:54.36 ID:3Ackjly40
私は、未練がましくも歳納京子に何かを期待しているんだ。
船見さんとの関係だって、ただの幼馴染。
そう言ってもらえる事を期待してる、バカな私。
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