33:にゃんこ[saga]
2012/01/22(日) 18:50:21.36 ID:ybIj+qay0
一昨日から、閉じこもってた澪を連れて、私達は残された皆で桜高に集まっている。
集まるのは別に誰かの家でもよかったんだけど、
八人で住めるほど広い家の奴は居なかったから、学校がちょうどいいと思ったんだ。
いや、ムギの家なら八人くらい楽勝なんだろうけどさ、
家の人が誰も居ないとしても、友達の家にお世話になるのはやっぱり抵抗がある。
それにムギの家は結構遠い。ああ見えてムギって電車通学なんだもんな。
電車も動いてない今の状況じゃ、正直かなり遠いよ。
だから、私達は今、学校に集まって住んでいるわけだ。
今後どうなるかは分からないけど、
一時的に集まるには慣れ親しんだ場所が一番のはずだった。
学校に住み始めてから二日、私はまだ澪と一言も話していない。
話したくないわけじゃない。
本当はすごく話したい。
胸の中の不安な気持ちを、澪にだけは打ち明けたい。
そんな考えはずっとあった。
でも、澪の方から話し掛けてこなかったし、
私の方も自分から話し掛けようとはしなかった。
何を言えばいいのか分からなかったし、何かを言った所で、
澪を余計に不安にさせる言葉しか出てきそうになかったから、話し掛けるのが恐かったんだと思う。
澪も自分が閉じこもってしまってた事を負い目に思ってるのか、
まだ誰かと明るい調子で会話出来てはいないみたいだった。
出来る限り早く、また澪に笑顔で話し掛けたいと思う。
でも、今は駄目なんだ。
まだ私も澪も今の状況に関して、自分なりの答えを出せてない。
私達がもう一度笑顔で話し合えるには、もう少し時間が必要だった。
澪の事は不安だけど、多分、大丈夫だと思う。
私が澪に話し掛けにくい事を分かっているのか、
今は代わりに唯とムギが積極的に澪と会話をしてくれている。
遠くから見てる限りじゃ、たまに澪の顔から笑みが漏れる事もあるみたいだった。
だから、きっと大丈夫。
後は私がこの世界の異変と向き合って、それに関しての答えを見つけるだけだ。
「いや、別に気分で位置を変えてたわけじゃないから助かったよ、和。
気付いてくれて、どうもサンキュな」
少し微笑んで、私はカチューシャの位置を治してくれた和にお礼を言った。
もしかしたら和が屋上に私を探しに来たのは、
地図の事を私に頼むためだけじゃなくて、私の事を心配してくれたからかもしれない。
それにまさか和が私のカチューシャの位置を覚えてくれてたなんてな。
私が思うより、和は私の事を見てくれてるみたいだ。
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