289:日溜まりの好きな幽霊(お題:家族)2/5 ◆5GkjU9JaiQ[sage]
2012/05/06(日) 14:38:57.89 ID:/MdL4G3AO
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「病人が家に居るのも、鬱陶しいだろう」
病室で母に向け、祖父がベッドの上で言う。
清潔な空色の患者服を着た祖父。傍目には痩せてはいるものの健康に見えるが、先は長くない
290:日溜まりの好きな幽霊(お題:家族)3/5 ◆5GkjU9JaiQ[sage]
2012/05/06(日) 14:39:30.16 ID:/MdL4G3AO
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クロが亡くなったのは、春先だった。
祖父が倒れて病院に担ぎ込まれたばかりで、家が全く落ち着いていない時。私と父は祖父の看
病から夜遅くに帰って来て、もう静まり返った家の電気を点ける。するとクロが、廊下の隅でこ
291:日溜まりの好きな幽霊(お題:家族)4/5 ◆5GkjU9JaiQ[sage]
2012/05/06(日) 14:42:49.94 ID:/MdL4G3AO
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病院の屋上では、白い清潔なシーツが穏やかにはためいていた。千切れ雲が疎らに浮かぶ青空。
欄干に手を掛け、日曜日の街を見下ろす。通りを行き交う人々もゆっくりとした足取りで、いか
にもな休日の昼時だ。
292:日溜まりの好きな幽霊(お題:家族) ◆QVgBgKGhEs[sage]
2012/05/06(日) 14:46:30.47 ID:/MdL4G3AO
あれと取り違えたらクロも不服だろうな、と考えると笑いが漏れる。何だか気が抜け、一息つ
いて立ち上がると、振り返った。
すると、客間の引き戸が微かに開いている。猫一匹、やっと通れそうなくらいに。
それを目にした瞬間、時間がぶれる。その風景は、私を『クロが生きていた頃の時間』に連れ
戻す。ほんの一瞬だけ。
293:日溜まりの好きな幽霊(お題:家族) ◆5GkjU9JaiQ
2012/05/06(日) 14:48:19.87 ID:/MdL4G3AO
最後酉間違えた。
ご意見ご感想ご批評何でもありましたら、お聞かせ頂けると有り難いです。
294:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)[saga]
2012/05/06(日) 14:58:04.79 ID:qRXKXpcF0
お題を与えておくれ
295:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道)
2012/05/06(日) 15:31:36.02 ID:18J52/4AO
投下します
>>294
「日溜まり」で
296:猫ごろし(お題:坂道)1/2[saga]
2012/05/06(日) 15:36:02.82 ID:18J52/4AO
ひぐらしの鳴き声がジジジと寺の境内に響きわたる。
木々の枝葉に覆われた木漏れ日ふりそそぐ階段坂。
ひっそりと木陰を落とす涼しげその場所。
297:猫ごろし(お題:坂道)2/2[saga]
2012/05/06(日) 15:37:17.09 ID:18J52/4AO
彼はこの日のために階段坂を毎日走り込んでいた。ついでに餌を好物のまぐろ缶にするよう主人と交渉してきたのだ。
次に後ろ足で地面を叩き、前足を横に揃えてみょーんと垂直に飛び上がる。くるりと中空で半回転、とんっと右前足一本で逆立ちした。
ぐっと肉球に力を込めて、毛のふさふさした右前足の肘を限界まで曲げる。
298:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道)[sage]
2012/05/06(日) 15:38:23.28 ID:18J52/4AO
お題お願いします
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