過去ログ - 文才ないけど小説かく(実験)
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579:心からの想い(お題:心)2/3[saga]
2012/07/03(火) 19:08:09.87 ID:sT2Fhxi60
 さて、心を拾ったはいいとして(引きだしに仕舞って大事に保管してあるのもいいとして)これを僕はどうすればいいのだろう。そもそもなぜ僕は誰のものかもわからない心を拾ってきてしまったのだろうか。これは、ちょっとまずいことなんじゃないだろうか。誰だって他人に心を見られるのは嫌だもんな。こんなことじゃ、僕は他人の心を盗んで、それを引き出しに仕舞って、にやにや眺める変態的になってしまう。
 他人の心を部屋で一人覗き見るなんて、本当に最低な人間じゃないだろうか。まぁ、実際はニヤニヤなんかしてないけれどさ。でも、もしこれが同じクラスの可愛い女の子が落とした心であったなら、僕はこの心を使って彼女の思いや、記憶、秘密や好きなものなどを、その心を使って探ってしまうだろう。そして思いっきりいやらしいことを考えて、汚く変態的なことをして、その心を汚してしまうかもしれない。

 そもそも僕みたいな男の子にとっては、可愛い女の子の心を手に入れたと言うだけで興奮ものだけれど。さぁ、この心を使って何をしてやろう。心を落としたお前が悪いんだからな。たとえこの心に向かって毎日僕が口づけをしたり、自慰行為をしたりしたって、落とした君が悪いんだからな。こんな大事なものを、僕の机の近くに落とした君が悪いんだからな。
 しかし、まぁ、それはもしもの話であるんだよね。実際にはこの心が誰のものか分からないんだ。
以下略



580:心からの想い(お題:心)3/3[saga]
2012/07/03(火) 19:09:24.00 ID:sT2Fhxi60
 僕はひたすら自分で自分を焦らしてから、ようやくその綺麗な心を覗いてみた。
 その心は、ひたすら愛に満ちていた。たくさんの愛する気持ちが詰め込まれていて、たくさんの可愛い言葉や考えが詰め込まれていた。だからこんなにもピンク色で、小さくて、ぴくぴく震えていたのか。
 これは多分女の子の心だろう。やったね、可愛い子だったらいいのだけれど、今はまだわからない。とりあえず僕は体がうずうずしてしまって、どうにも落ち着かない。
 宿題をやって、夕食を食べて、時間を置いて、再び僕は心を引き出しから出した。先ほどは興奮しすぎて、無駄な動きや筋トレばかりしてしまった。僕はとりあえずその女の子(推定)の心をお風呂場に持って行って、一緒にお風呂に入ることにした。その女の子の心の前で、裸の僕を晒してやるという、僕の汚い心の為せるが故の行動だった。

以下略



581:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)[sage]
2012/07/03(火) 19:13:27.92 ID:sT2Fhxi60
>>577
ありがとうございます。そう言って頂けて非常に嬉しいです! 
SSにしては長い文章を読んでくださって、とても嬉しく思います。ありがとうございました!


582:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)[sage]
2012/07/03(火) 19:42:39.15 ID:FW9rMRg6o
投下します。お題は>>478の珈琲と泥水の違いです。11レスで長いです。


583:ハーミッツ・ジャムをパンに塗って(お題:珈琲と泥水の違い)1/11[sage]
2012/07/03(火) 19:44:53.75 ID:FW9rMRg6o
 ●昔々あるところに――いったいどこに、ですって? そう、でもこれは、どこにだって起
こったことかもしれないのです――ひとりの旅人が旅をしていました。あるときは砂漠、また
あるときは森、あるときは山へ宝石を探すために旅をしていました。

 ある日旅人は、雨が降り続く街にたどり着きました。そこで、水浴びをしている娘と出会い
以下略



584:ハーミッツ・ジャムをパンに塗って(お題:珈琲と泥水の違い)2/11[sage]
2012/07/03(火) 19:47:18.14 ID:FW9rMRg6o
 ¶

 ここまで文章を書きあげて、私はノートパソコンのモニターをそっと閉じる。そして、眉間
を揉みほぐした。それでも体にのしかかる疲れが和らぐ様子はなかったので、背伸びをして肩
をゆっくりと回した。壁掛け時計に視線をやると、時刻は夜の九時半だった。蝉の泣き声が、
以下略



585:ハーミッツ・ジャムをパンに塗って(お題:珈琲と泥水の違い)3/11[sage]
2012/07/03(火) 19:48:25.73 ID:FW9rMRg6o
 半年前、採用されて新しい仲間となった私のために、彼らが開いてくれたお楽しみ会で披露
してくれた『おおきなかぶ』は、今でも瞼の裏に焼き付いている。
 そして、舞台で犬役を必死に演じる美亜の姿に、私は心を奪われたのだ。
 もう一度、茶色い歩道に目を向ける。
 無人だった歩道に、人影が現れた。
以下略



586:ハーミッツ・ジャムをパンに塗って(お題:珈琲と泥水の違い)4/11[sage]
2012/07/03(火) 19:50:17.16 ID:FW9rMRg6o
 私は缶コーヒーを受け取って、美亜の手を握る。美亜の手のひらは理由はわからないがベタ
ベタだった。
 缶コーヒーのプルタブを上げて、一息で飲む。出来るだけ美味しそうなに、嬉しそうな表情
を浮かべ、彼女に見せる。コーヒーの味は、クセが強かったが、甘くて美味しかった。きっと、
飲んでいる私を一生懸命に応援している美亜が、コーヒーの味を変えてしまったのだろう。
以下略



587:ハーミッツ・ジャムをパンに塗って(お題:珈琲と泥水の違い)5/11[sage]
2012/07/03(火) 19:51:49.66 ID:FW9rMRg6o
 高価な椅子に深々と座っている友人は、嘲笑を隠さず、くつくつと声をあげた。彼が摘んで
いるコーヒーカップが上下に揺れるほどの、押し[ピーーー]ことのできない笑いだ。まるで、そんな
可笑しいことがあるか? とでも言っている様子だった。
「お前は憧れているだけさ」
「何に、だ」
以下略



588:ハーミッツ・ジャムをパンに塗って(お題:珈琲と泥水の違い)6/11[sage]
2012/07/03(火) 19:52:49.71 ID:FW9rMRg6o
 あれ以来、私は彼と連絡をとっていない。彼が今、どこで何をしているのかは知らないし、
知りたくもない。

 ¶

以下略



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