751:裏切りのガーデン(お題:ロリ) 7/7 ◆pxtUOeh2oI[saga]
2012/07/29(日) 23:36:17.28 ID:+qxTtRJto
「もう怒ってないよ。ほら、いつも怖いあやこ先生だって怒ってないでしょ」
いきなりふられたあやこ先生は微笑んで、ゆきのちゃんを抱きしめた。ゆきのちゃんの泣き声はさらにさらに
大きくなる。
「僕たちはゆきのちゃんの味方だからね、悪いことしたらちゃんと怒るけど、ゆきのちゃんのことは大好きだか
ら」
752: ◆HmfYvBHWkM[sage]
2012/07/29(日) 23:38:07.44 ID:8q5/v6ip0
投下乙
では自作を投下します
753:彼女たちの絆(お題:ロリ) 1/8 ◆HmfYvBHWkM[sage]
2012/07/29(日) 23:39:01.38 ID:8q5/v6ip0
食べる。食べる。食べる。
机の上に並べられた山盛りのスイーツが次々に消えていく。ショートケーキ、ミルフィーユ、杏仁豆腐etc……
終いには、私が取ってきたババロアまでもが彼女達の胃袋に飲み込まれた。ああ、食べたかったのに。
「えっと……私達がこれからやる事、分かってる?」
勢いに気圧されながらも、これから成すべき事の最終確認をする。
754:彼女たちの絆(お題:ロリ) 2/8 ◆HmfYvBHWkM[sage]
2012/07/29(日) 23:40:03.29 ID:8q5/v6ip0
店を出て数分、私達はかがやきへと向かうため道を歩いていく。雲ひとつない空に燦々と輝く太陽も鬱陶しいが、
足元から立ち上るアスファルトの照り返しも鬱陶しかった。おまけにビルの反射光が私達へ容赦なく降り注ぐ。
周りには人がひっきりなしに歩いている。老若男女問わず、その顔は抜け殻のように虚ろだった。服装はどこか
薄汚れており、さっき私とすれ違ったサラリーマン風の男は、よれよれのシャツに皺だらけのズボンという姿だった。
そして、一体この中の何人がチカラを持っているのだろう。
755:彼女たちの絆(お題:ロリ) 3/8 ◆HmfYvBHWkM[sage]
2012/07/29(日) 23:43:00.12 ID:8q5/v6ip0
頼れるのは自分自身のチカラだけ。
そんな彼女の状況は、私達と全く一緒だった。頼れる人がいない少女三人が生きていく術なんて限られている。
同情や憐みなんかじゃない。同じ境遇なら、二人より三人の方が強いに決まってる。力を合わせて、生きていくんだ。
そこに血の繋がりがなくても。
「だから、ね。リー……由樹お姉ちゃんのためなら、何でもする、よ?」
756:彼女たちの絆(お題:ロリ) 4/8 ◆HmfYvBHWkM[sage]
2012/07/29(日) 23:43:41.06 ID:8q5/v6ip0
「大月ビルの地下一階、正面玄関横の階段から降りた所がかがやきの本拠地ね。……後は打ち合わせ通りにいくよ」
「分かった」「おっけぇだよ、おねえちゃん」
無表情な真里菜に、笑顔たっぷりの愛香。二者二様の表情で返事をする。全く、初めての仕事だっていうのに
この期に及んで普段通りとは。どこまで肝が据わっているのか、末恐ろしささえ感じてしまう。
私は二人に目配せすると、五十メートル先の建物に向かって無造作に歩き始めた。下手に走っていったり
757:彼女たちの絆(お題:ロリ) 5/8 ◆HmfYvBHWkM[sage]
2012/07/29(日) 23:45:01.03 ID:8q5/v6ip0
喉がどんどん乾いていく。思わず私はごくり、と唾を飲み込んだ。
「……来るよ」
騒々しい音と共に勢い良く扉が開けられる。きた!
「おねえちゃんをいじめるなあああああ!!!」
優香の絶叫が辺りに響く。
758:彼女たちの絆(お題:ロリ) 6/8 ◆HmfYvBHWkM[sage]
2012/07/29(日) 23:46:01.22 ID:8q5/v6ip0
「交渉決裂、か。なら仕方ない、このまま俺も殺される訳にはいかないからな!」
そう言い終わると同時に、長内が動いた。
二メートル程度あった間合いは一瞬でなくなってしまう。……えっ、さっきまで椅子に座ってたのに? 速い!
完全に、不意を突かれた。
「くっ!」
759:彼女たちの絆(お題:ロリ) 7/8 ◆HmfYvBHWkM[sage]
2012/07/29(日) 23:46:41.59 ID:8q5/v6ip0
――お姉ちゃん、準備はいい?
――大丈夫。ちょっと痛むけど。
あうんの呼吸。
私達だったら、きっとできる。そこに血のつながりなんて関係ない。
「同じ人間なのに、酷い話だろう?出生で全てが決まってしまうなんてな。……お姉ちゃん達の戦いぶりは監視カメラ越し
760:彼女たちの絆(お題:ロリ) 8/8 ◆HmfYvBHWkM[sage]
2012/07/29(日) 23:48:25.42 ID:8q5/v6ip0
十五歳の妹は荒い息をついていた。頬が上気し、雪のような白い肌がピンクに染まっている。
八歳の妹はぶるぶると震えていた。私はそんな妹を体全体で包み込むように抱きしめる。
標的は仕留めた。後は後始末をして、この場から離れれば仕事は終わり。けど……
「おねえちゃぁん……こわいよぅ……まりなおねえちゃんがこわいよぅ……」
茶色い頭をなだめるように、愛しむように撫でる。震えが体に伝わってくる。
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