過去ログ - 女神
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963:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)[saga]
2012/05/20(日) 23:57:28.73 ID:bkFoiF+Fo
 僕は泣きそうな表情で僕に寄りかかって俯いている妹に改めて話しかけた。

「じゃあ、予定通り女さんの女神行為を暴いて、女さんを兄君から引き剥がそうか」

 妹ははっとした様子で顔を上げた。

「最初からそうしたかったんでしょ? 君が決心するなら僕も最後まで付き合うけど」

「・・・・・・先輩」

「君が本気なら僕もいろいろ準備する。こういうことは衝動的にやってもうまく行かないし、よく計画を練らないとね」

 妹はまた俯いてしまった。

「それとも君が兄君と女の付き合いを認めて祝福してあげられるなら、僕はもう何も言わないし何もしない。君もパソ部を止めて今までどおりの生活に戻れるよ」

 一応、僕は妹に退路を示してあげることにした。妹が女と兄君の仲を認めれば、こんな危険なゲームを始める必要はない。その結果、僕は妹を失うかもしれないけど僕の将来に対するリスクも無くなるのだ。妹がどう判断することを僕は望んでいたのだろう。この時はもうそれすら
わからなくなっていた。僕は黙ってただ妹が結論を出すのを待っていた。

 妹は僕の腕の中から抜け出して、身体を真っ直ぐにして僕の方を見た。

「お兄ちゃんの相手が女さん以外の人なら誰でもいい。でも裸で縛られてる姿を誰にでも見せるような女さんがお兄ちゃんの彼女なのは許せない」

「・・・・・・うん」

「先輩、あたしを助けてくれますか」
 普段から馴れ馴れしい妹にしては珍しく敬語で僕に頼んだ妹の表情は、日ごろから動じない彼女が始めて見せるような緊張したものだった。

 僕はその瞬間に心を決めた。

「僕は君を助けたい。君がやるなら僕もやるよ」

「ごめんね先輩」

 この時、どういうわけか妹は僕に謝ったのだった。それから妹は黙って再び僕に寄り添って、僕のシャツの胸に顔を当てたまま静に涙を流した。


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