14:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/02/08(水) 16:17:00.21 ID:A45p+aH70
太陽が沈んで行き、そして空に満天の星がきらめき始める。どこまでも……何処までも続く電灯のように。漆黒の空間のどこまでも遠くに、ビーズ玉よりも小さな、小さな星達がきらめき始める。
愛寡は、彼の首を絞める手を緩めていなかった。もはや渾身と言ってもいいほど、全体重をかけて締め付けていた。
彼の唇や顔は土気色に変色し、目は閉じられ、既に息はない。
二人の姉は、ピクリとも動いていない。
いつの間にか寝息は聞こえなくなっていた。
横たわっている彼女達の顔も、彼と同じような土気色に変色してしまっていた。窪み、ミイラのように枯れ果てた肌。カサカサの唇は半開きになってしまっている。
寒かった。
いつの間にか、背にしている大木は、聳え立つ氷山に変わっていた。周囲を包む芝生などは消え去り、変わりに吹き荒れる吹雪と氷、雹の嵐が周囲を包んでいた。
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