過去ログ - 少女「ずっと、愛してる」
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168:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/02/09(木) 20:22:46.46 ID:vAi26PND0
少し考え込んで、口に入れる。思いのほか硬く、ゼマルディの指をためらいがちにちゅるちゅると数分間しゃぶってみる。
……やはり、その行動に後から気づき真っ赤になったのは彼の方だった。慌てて前かがみになり、宙を見て彼女が全部口の中に入れるのをひたすら待つ。
ごくり、と飲み込む。

「……何も起きないよ?」
以下略



169:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/02/09(木) 20:23:17.13 ID:vAi26PND0
言葉を失って呆然とゼマルディを見る。彼は満足そうにうんうんと頷いて、パチンと薬箱の箱を閉めた。そしてまたポケットに放り込む。

「何これ!」

「俺の膵臓だ」
以下略



170:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/02/09(木) 20:24:19.66 ID:vAi26PND0
「一週間?」

そう聞き返し、ゼマルディは言葉を止めた。
暫く考え込み、ニコニコしているカランを見てから壁の時計を見る。

以下略



171:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/02/09(木) 20:24:50.00 ID:vAi26PND0
「コーヒーでも飲む?」

「何それ?」

「まーまってろ。気絶するほどうめーから」
以下略



172:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/02/09(木) 20:25:37.55 ID:vAi26PND0
「ルケンも花くれたんだけどね。あの人は何も。随分前にくれてたんだけど、変な臭いするし部屋にあるんだよ」

「……は……?」

「嬉しいな、ゼマルディ」
以下略



173:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/02/09(木) 20:31:03.86 ID:vAi26PND0
お疲れ様でした。第6話に続かせていただきます。

疲れ様です、第三話に続かせていただきますm(_ _)m

Wikiと前スレはこちらです。
以下略



174:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(西日本)[sage saga]
2012/02/09(木) 21:36:54.28 ID:ZchcTkpW0
おぉ!彼がやっと出てきた!


175:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/02/10(金) 20:00:33.78 ID:oNd+Ad/T0
>>174
何故か連載当時の三年前も人気だったゼマルディの登場です(`・ω・´)o
確かに格好いいですが、ああいう人生は送りたくないですね……。

第6話を投稿させていただきますー。


176:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/02/10(金) 20:05:45.50 ID:oNd+Ad/T0
6 鐘が鳴る

 まさに、上へ下への騒ぎだった。
ゼマルディに人気の少ない室の一室に送ってもらい、姫巫女宮に帰り。そして大食堂に足を向けた時。長い木造りの廊下の先でバタバタと慌しく走り回る足音が聞こえた。
廊下の一角に少女達……丁度カランと同じくらいの年の子達が集まって、しきりに覗き込もうとしている。
以下略



177:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/02/10(金) 20:06:17.56 ID:oNd+Ad/T0
……それは、カランについ先ほど風呂場で暴行を加えた娘達だった。顔面は蒼白で、相当体は冷えているのだろう、唇が紫色になっている。

――小さい頃、一度遊び心で貯水槽と浄水場に入り込んでしまったことがある。その時は一週間も真っ暗な懲罰房に投げ込まれ、気が狂い掛けたことを思い出して身震いする。

その時の記憶だが、確かあの地下エリアは相当な広さがあったはずだ。そこに深さ二メートルほどの大きな水槽が何個も設置されていて、水が循環するようになっている。
以下略



178:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/02/10(金) 20:09:50.94 ID:oNd+Ad/T0
――独りぼっち。

先ほど、ただ座っていただけなのに、ああやって運ばれていく子達に蹴られた。お腹やお尻を、ためらいもなく。
人に暴力など、カランは産まれてこの方振るったことなど一度もない。
それは、長い間……それが彼女の中で常識となるほどの時間、周りから煙たがられ、賛美と裏腹な虐待を受け続けてきたことによる、心の奥底に潜んだ恐怖心の裏返しだった。
以下略



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