332:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/02/13(月) 20:40:50.58 ID:3SORN3Q00
「単刀直入に言う。少なくともあと二日以内にここを出て、二百キロほど先のドームに向かう。これは貨物トレーラーの密輸チケットだ。裏のものだから手間取った。かなり遠回りの荒道を行くことになるから、旅だけで相当かかっちゃうんだ」
「……は?」
「逃げるんだ。その間に、君の匂いを消す方法を考える」
その途端、ゼマルディの意識が無理矢理に半分ほど覚醒した。彼は立ち上がろうとして、しかし力が入らない膝からテーブルに崩れ落ちた。その拍子に氷が入っていた空のコップを床に落としてしまい、周囲の視線がこちらに向くのが分かる。
しかし彼はもう一度巨体を立ち上がらせると、その大きな掌でテーブルを叩き大声を上げた。
「ちょっと待ってくれ。だって、ここに来てから二週間も経ってないんだぞ」
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