333:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/02/13(月) 20:41:30.66 ID:3SORN3Q00
ゼマルディの喋っている言葉は、共有語と呼ばれている常用言語ではない。いわゆる龍族で使用されている古代語に近い奇妙な発音の言語だ。
酔いと疲れに助けられる形で、シンとしたカフェに轟かんばかりの大声で、ゼマルディは周りにとって意味不明の言語で喚き出した。
「今度こそカランは死ぬぞ! もう無理だ。あの子の体は耐えられない」
呂律が回っていない。ドクは立ち上がると無理矢理にゼマルディをソファーに押し込み、ウェイトレスを手招きしてサイフから幾枚かの紙幣を握らせた。
それだけで意図は通じたらしく、彼女は手早く割れたグラスを片付けると、厨房に引っ込んでいった。乱闘が起きるものかと警戒して顔を覗かせていた店の者達が、ウェイトレスの言葉を聞いて下がっていく。
ゼマルディの隣に移動し、ドクは息をついて口を開いた。
「……おい、落ち着けよ。俺だって色々考えてる。本当に君はすぐ酔っ払うし、しかも酔っ払うとタチが悪いな」
「うるせぇ。誰がどうでどうよっぱらってるってんだ」
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