362:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/02/15(水) 20:03:25.58 ID:EmuY6hvN0
モズの早贄を連想とさせる惨状の中、犠牲になった男性が一度だけ激しく痙攣して白目をむき、動かなくなる。
即死だった。
少年は着ていた白い、タキシードのような服がその返り血でベトベトに汚れているのを見て嬉しそうに破顔した。そして子供のように甲高い声で笑いながら、男の体をもう一本の手で引き抜き、脇に放り投げる。
同じ人間の胸を貫いた手の先には、肋骨の断片と共に、水鉄砲のように血管の断面から血液を噴出している心臓……生き物の中枢が握られていた。
それをしばらく眺め回し、大きく口を開けて一部をむしゃりと噛み千切る。意外と弾力が強いらしく、ゴムのように伸びたそれを頭を振って租借してから、ベッ、と少年は吐き出した。
「……メラ……レディ・ラ、ノエラ……」
忌々しげに、聞いたことのない言語をおかしなアクセントで呟く。そして彼は手に持っていた肋骨と心臓の残骸を、べしゃりと足元の瓦礫に叩きつけた。
「アラウ」
そこでやっと、恐怖が爆発した。
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