372:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/02/15(水) 20:09:18.61 ID:EmuY6hvN0
人間の顔ではなかった。
トカゲ……いや、ワニに近い容貌を呈している。口は本当に耳まで裂け、傷口からは涎と血が垂れ流されていた。先ほどはマスク側から見たので分からなかったのだ。
口の傷口からウロコが肉の内側より競り上がり、そして塞いでいく。次いで立ち上がったゼマルディの口からボロ、ボロ……と何かが床に転がり落ち始めた。
歯だった。
「カルル……」
唸りながら、彼はドクの方に足を踏み出した。そして生身の方の左腕の関節を奇妙な方向に曲げながら持ち上げる。
その爪がはじけ飛び……キリのような棘……が肉から飛び出すのと、歯抜けた痕から、サメの歯のように鋭い光沢を発した牙が噴出し始めたのは殆ど同時のことだった。
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