過去ログ - 少女「ずっと、愛してる」
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375:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/02/15(水) 20:10:50.05 ID:EmuY6hvN0
さながら全身タイツのような鎖帷子を着た感じだ。背中をぐるりと、アーチ型に猫背にさせ、腕をブラブラさせながら……ゼマルディだったソレは、牙をガチガチと鳴らした。その喉が振動しているのが見て取れる。ウロコの奥……瞳の部分がバイザーのように透け、赤い瞳が見えていた。
涎と血液が入り混じった汚汁を口から垂れ流しながら、ゼマルディはまた一歩を踏み出した。途端、彼の首筋のウロコがエンジンノズルのように上に開き、プシュー……と蒸気圧を連想させる白い煙を吐き出す。それと同時に、強烈な汚臭……というのだろうか。鼻が曲がりそうな生臭い臭い。そう、まるで死体の臭い。内臓と血液が腐り、深緑色の液体に溶けていく際の、腐臭のようなものが周囲に充満した。

「アル……アルラ……アルルルレ……レレ」

訳のわからない唸り声を上げながら、その異形の怪物はフルンフルンと頭を振った。発光している目の焦点が合っていない。
思わず臭いにむせ、咳き込んだドクの手にぬるりとした感触が伝わった。慌てて手の中のカランを抱きなおし、そして手を開いて唖然とする。ベットリと血がついていた。急ぎカランの背を見たドクは蒼くなった。


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