40:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/02/08(水) 16:40:36.06 ID:A45p+aH70
親と手を繋いではしゃいでいる、五歳ほどの小さな子供にも。行商を行っている老女にも。全ての人間に皆等しく核が見て取れる。中には、それの周りに誇らしげに刺青で装飾を施している男性までもいる。
魔法使いの群れの中で爪は足早に歩き出そうとしたが、幼児ほどの補講速度しか師が出せないことに気づき、道路の脇に立ち止まった。そして路面タクシーを掴まえようと周りを見回す。生憎と大型バイク型のタクシーは、この時間には通りかかっていなかった。
「爪、どこに?」
息を切らしながら愛寡が顔を上げる。彼は彼女の顔に薄く汗が浮いているのを見て取ると、それを指先で拭ってから、ひょい、とその小さな体を抱き上げた。
「ちょ……ちょっと、爪?」
「ライ・ミ(掴まっていてください)」
囁くように言ってから、彼はくい、と首を上げた。
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