過去ログ - 少女「ずっと、愛してる」
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418:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/02/16(木) 20:22:13.06 ID:Z6fjuYRs0
「しにたく…………な………………」

「…………」

「いやだ………………いやだ…………」
以下略



419:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/02/16(木) 20:22:40.39 ID:Z6fjuYRs0
ミキミキと鈍い嫌な音をさせながら、ゼマルディがルケンの胸に突き立った五本の爪を動かしていく。それらは少年の心臓を探し当てると、たちまち肉、皮と共に握りつぶさんばかりの力を発し。
その瞬間。
ゼマルディは横殴りに。
生身に戻っていた血まみれの側頭部を……風を切って飛来した鉄の塊に殴りつけられ。
もんどりうって何度か地面をバウンドしながら、数メートル先の道路を滑り。
以下略



420:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/02/16(木) 20:23:55.62 ID:Z6fjuYRs0
お疲れ様でした。

次回に続かせていただきます。

毎回お付き合いいただいている方々に感謝いたします。


421:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2012/02/17(金) 00:44:18.50 ID:xdvs2eeVo



422:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/02/17(金) 17:17:11.18 ID:JYEl3aKe0
こんにちは。

今日の更新で、黒い一族編は最後になります。

お話はまだまだ続きますので、お付き合いいただければ幸いです。
以下略



423:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/02/17(金) 17:21:12.64 ID:JYEl3aKe0
13 カラン

 彼女の声が聞こえた。
ゼマルディはぼんやりと目を開けた。
朝の光が、瞳を打つ。
以下略



424:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/02/17(金) 17:21:52.62 ID:JYEl3aKe0
――あぁ、ここは。

ここは、そういえば。

「ゼマルディもこっちに来てよ。凄いよ」
以下略



425:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/02/17(金) 17:22:48.30 ID:JYEl3aKe0
靴を脱いで、小川に足をつける。
ひんやりとした冷たい水が体中に浸透したような感じだった。思わず肩をすくめ、苦笑いしてからカランに歩み寄る。
そこで妻は、足元の小石に躓いてぐらりと前のめりに倒れこんだ。慌ててそれを押さえようとして……もつれこみ、一緒に水の中に尻餅をつく。
膝に小さな彼女を乗せるような形で、ゼマルディはしばらく呆然としていた。少ししてカランが小さく噴き出し、そして水の中で硬直しているゼマルディの体に向き直り、そして抱きついてくる。
青年はしばらく戸惑っていたが、やがてそっと彼女の後頭部に手を当て、ゆっくりと撫でた。
以下略



426:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/02/17(金) 17:23:16.38 ID:JYEl3aKe0
「もうすぐこの子も産まれるよ。男の子かな? 女の子かな?」
そう言ってカランは、濡れて水面に広がっている、自分のドレス……その僅かに膨らんだ腹を手でさすった。

「ねぇ、どうしたの? お仕事厳しい?」

以下略



427:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/02/17(金) 17:23:46.04 ID:JYEl3aKe0
やがて少女は抱きしめられながらフッと微笑んで、そして言った。

「そうだねぇ」

「青いなぁ」
以下略



428:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/02/17(金) 17:24:21.67 ID:JYEl3aKe0
「いーや、兄弟は沢山いた方がいいに決まってらぁ。なんなら十人、二十人でも俺ァOKだ」

「私そんなに産まされたら死んじゃうよ」

「だいじょーぶだって。女の体ぁ、男よかぁよっぽど強く出来てんだ」
以下略



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