567:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/02/20(月) 17:34:37.73 ID:WO2eriwB0
真っ赤に発光した二匹の目を見て、虹が歯噛みする。
パラパラとドームの残骸が落ちてくる中、二匹は虹が磔られている空間に入り込み、そして言った。
「今のは危なかった。凄く危なかった」
568:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/02/20(月) 17:36:30.31 ID:WO2eriwB0
その時の虹には分からなかったことなのだが、全ては紙一重の出来事だった。
空中で方向転換が出来る猫、シェンダアンスがパートナーのモルモット、
アートナーが発した刀を反射し、その勢いで後部に飛び大魔法を避けていたのだった。
569:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/02/20(月) 17:37:48.28 ID:WO2eriwB0
虹は、ところ狭しと突き刺されて壁に食い込んでいる刀を見て、荒く息を吐いた。
(この辺なんだけどな……)
薄れて消えそうな意識の中、懸命に集中する。
570:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/02/20(月) 17:38:50.78 ID:WO2eriwB0
突然の少女の豹変に、動物二匹が止まる。
「何? 何がおかしいの?」
「さっぱりわからないわ。何か楽しいことがあるの?」
571:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/02/20(月) 17:40:09.03 ID:WO2eriwB0
「何がおかしいの? ねぇ何がおかしいの?」
「感じない? 変な気。変な気分。凄く、凄く変な気分」
「……本当だ。くさいね。すごくくさい。くさいくさいくさい」
572:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/02/20(月) 17:41:36.45 ID:WO2eriwB0
「カルルルルルルルルルルル」
奇妙なうなり声が聞こえた。
虹の血液が大量に入ったクレバスの中からだった。
573:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/02/20(月) 17:42:34.83 ID:WO2eriwB0
パン、パンッ!
と連続してモノが破裂する音が響いた。
今までアルビノの猫とネズミがいた場所に、微かな肉片と、焦げた臭いそして粉末状になった血液が散る。
574:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/02/20(月) 17:45:09.66 ID:WO2eriwB0
『呼び出してやったのよ……ここの主が、ごたい大事そうに抱えていた爆弾をね……』
虹は笑った。
『面白いと思わない……?』
575:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/02/20(月) 17:50:54.22 ID:WO2eriwB0
人間……のように見えた。
着地姿勢をとっているそれは、体中にがんじがらめに鎖が巻かれていた。
顔面の半分を、半ば解けたピエロのようなマスクが覆っている。
576:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/02/20(月) 17:51:28.01 ID:WO2eriwB0
『何だあれ……敵か? さっきの動物達は……』
『アレが殺してくれたわ。多分、アレの魔法で』
『あれ……?』
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