64:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/02/08(水) 16:58:23.61 ID:A45p+aH70
次の瞬間、鋸が鉄を引っかくような金属音が響き、壁についている掌の回りの空気が蜃気楼のように揺れ。
間髪をいれずに、人型に壁が抉れた。
身長は二メートル前後だろうか。
背後の影が、ポケットに手を突っ込んだような形に壁ごと後方に吹き飛ばされる。厚さ二十センチはある壁を、表面も……鉄骨に至る内部までもを紙にパンチで穴を開けるように後方に、爪の掌底は抉り吹き飛ばした。
まるで漫画のような、綺麗な人型に壁に穴が開いていた。
丁度ここは礼拝堂の外壁に一番近い場所となっている。地上四階。高さにして七メートル前後。抉れた壁と共にその『影』は礼拝堂の外に投げ出され、それでも飽き足らずに百メートルは離れたビルの壁面に、ガラスと壁を砕き、白煙を撒き散らしながら突き刺さった。
衝撃も、音も何もなかった。
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