745:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/02/24(金) 15:57:58.79 ID:o2andqOr0
ガゼルに怒鳴るように言われ、彼は言った。
「嘘だろ……でも、この臭い……」
「マルディ、何か来るのか?」
746:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/02/24(金) 15:58:35.33 ID:o2andqOr0
「あいつ?」
「スカった! 俺の臭いを感知されたんだ。
逃げなきゃ皆殺しにされるぞ!」
747:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/02/24(金) 15:59:11.49 ID:o2andqOr0
「俺達の戦法を教えてやるよ。若造。
魔法も何も使えない俺達に残されたのは、
この命一つのみ。その意味が分かるか?」
トン、と銀が胸を叩く。
748:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/02/24(金) 15:59:50.79 ID:o2andqOr0
「俺がまいてくる。だから……」
「待てマルディ、何か来る!
強力なエンクトラルフィールドの干渉だ! 魔法だ!」
749:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/02/24(金) 16:00:20.83 ID:o2andqOr0
「何だマルディ、どういうことだ!」
「奴だ……ルケンだ!」
押し殺した声で言い、マルディはガゼルのハンドルを握った。
750:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/02/24(金) 16:00:57.93 ID:o2andqOr0
マルディは外の吹雪を確認してから、
ガゼルのシャッターを開いて仁王立ちになった。
そこは第三層の中間地点にあたる場所だった。
倒壊した建物が並んでいる。
751:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/02/24(金) 16:01:38.92 ID:o2andqOr0
ガゼルを屋上から突き落とそうとして……。
そこで、マルディは停止した。
虹が、いきなり体を乗り出して、
彼の唇に自分の唇を重ねたからだった。
752:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/02/24(金) 16:02:08.03 ID:o2andqOr0
虹がそう言って、力の入らない手でガゼルのハンドルを握る。
マルディは屋上に膝をつき、体を小さく痙攣させていた。
その腕や、体中いたるところから緑色の鱗がせり出してくる。
753:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/02/24(金) 16:02:47.09 ID:o2andqOr0
数十秒も経っただろうか。
それは、さっきまで人間のように喋っていた
「マルディ」ではなかった。
754:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/02/24(金) 16:03:28.88 ID:o2andqOr0
『一度あなたも見たでしょう
……私の中には、白い一族と同じタイプの血液が流れてる
……だから、私の体を取り込んでも……あいつは変身できる……』
小さく笑い、虹は正面から近づいてくるエアバイクの群れを、
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