854:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/02/26(日) 22:39:42.58 ID:pOQ9sNVj0
功刀は近くのテントを軽々と飛び越え、
転がるようにしてスラム街の出口に向けて走り続けた。
「影の中に逃げられませんの! 私が跳ね返して……」
「レ・ダードの光ダ! 魔法は全テ無効化サレル! 死にタイノカ!」
怒鳴られて、燐は思わず功刀の体にしがみついた。
意味は分からない。
分からないが
……今が、のっぴきならない状況だということくらいは、
彼女にもよく分かった。
功刀はそのままスラム街の出口に向かって走り続け、
人ごみにまぎれようとして……。
丁度、彼が向かっている場所に、
白髪の、眼鏡をかけた青年が立っているのを見て、急いで動きを止めた。
彼の瞳が真っ赤に染まり、彼の体から伸びている影が、全てざわついた。
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