932:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/05/04(金) 22:46:30.28 ID:NNs5Kzip0
吐き捨てた涙と泉の間に、
そこで更紗が割って入った。
彼女は怯えた顔で涙を見上げたが、
すぐに視線をそらして頭を下げた。
「ごめんなさい……ねねさま、
わらわ達が我侭を言ったのです。
ににさまは悪くありませぬ!」
「……更紗ぁ……そういう話をしてるんじゃないの。
子供は引っ込んでなさい」
呆れたようにそう言って、
涙は泉の向かい側の椅子に、ドカリと腰を下ろした。
完全に愛寡と更紗は、
姉の怒った姿に萎縮してしまっていた。
彼女達からすれば、涙は姉というよりも母に近い。
二人とも俯いて小さく震えている。
涙は指先でテーブルをトントンと叩きながら、
兄の事を見た。
979Res/589.08 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。