過去ログ - 少女「それは儚く消える雪のように」
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61:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/02/20(月) 22:20:00.22 ID:WO2eriwB0
だからこのラボをエフェッサー協会に製造してもらう時には、
特にバーリェの少女達のことを考えたたのではなかった。
自分のためだ。
ここが一番落ち着くからだ。
62:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/02/20(月) 22:23:16.84 ID:WO2eriwB0
外見的にはただの小型なマンションに見えた。
しかし電気も水も、その他必要なものは全て地下から引いてもらっている。
ただの住居に見えるとはいえ、
63:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/02/20(月) 22:24:12.45 ID:WO2eriwB0
そしてドア脇の電卓のようなパネルのキーをパターンに分けて叩く。
そして口を開いた。
「ドアを開けろ」
64:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/02/20(月) 22:25:08.36 ID:WO2eriwB0
広い廊下を見回した彼の耳に、
休む間もなくこちらに向けて走ってくる複数の足音が聞こえてきた。
そして避けよう、と考えた途端、猛烈なタックルを喰らって玄関に尻餅をつく。
65:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/02/20(月) 22:26:05.58 ID:WO2eriwB0
「絆さん遅いですよ。雪ちゃんはとっくに到着してるんですよ?」
その中でもひときわ背が高い、
長い黒髪を何個かの束に分けている少女が静かに口を開いた。
66:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/02/20(月) 22:27:41.88 ID:WO2eriwB0
反応を求められた赤髪の子は、ただニッコリと笑っただけだった。
立ち止まって二人の頭を交互に撫でて、絆は首を傾げた。
「あったって……何がだ、優(ユウ)?」
67:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/02/20(月) 22:28:32.41 ID:WO2eriwB0
『ゲンさんのところで、マナちゃんが外に出ちゃって。
偶然通りかかった人がいい人で助かりました』
苦笑の顔で彼女が手を通して意思を伝えると、
絆はそれを難なく読み取って、
68:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/02/20(月) 22:29:20.60 ID:WO2eriwB0
「まぁまぁ。絆さんも。
本当は三日って言ってたのに一週間も留守にして。おあいこですよ」
優しく諭すように笑われて、絆も息を吐いて表情を崩した。
69:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/02/20(月) 22:30:08.89 ID:WO2eriwB0
絆のラボには、現在雪を入れて五人のバーリェが同居していた。
普通、トレーナーは一人一体しか持たない。
それは世界で共通のことだし。
70:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/02/20(月) 22:31:00.75 ID:WO2eriwB0
その中には当然他の個体とは違い、精神的に成長が遅いものもいる。
愛は、その例だった。
思っていることを上手く口に出すことが出来ず、
71:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/02/20(月) 22:31:50.03 ID:WO2eriwB0
それに伴っての苦労も多くあるが
……今の絆はこっちの方が気に入っていた。
また、バーリェはそれぞれ、固有の生体エネルギーを持っている。
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