過去ログ - とある未来の通行止め その3
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532:ブラジャーの人[saga]
2012/06/13(水) 20:14:04.49 ID:0l1aWSKh0

時々、かすかだが打ち止めの叫び声が聞こえる。その度に胸が締め付けられる。

三十分ほど経ったころ、急ぎ足の人物が一方通行と番外個体の前で立ち止まった。冥土帰しだ。

以下略



533:ブラジャーの人[saga]
2012/06/13(水) 20:17:53.95 ID:0l1aWSKh0

それから三時間。一方通行は自分が呼ばれないことに安堵を覚え、この状況にもすこし慣れた。
隣の番外個体も同様で、彼女もジュースを飲みながら、時々足を伸ばしたりしている。

一方通行が二本目の缶コーヒーを買おうと立ち上がった時、黄泉川愛穂も駆けつけた。
以下略



534:ブラジャーの人[saga]
2012/06/13(水) 20:22:28.80 ID:0l1aWSKh0

突然入ってきた一方通行に、産科医と看護師達が少し驚くが、冥土帰しがモニター越しに許可を出したので何事もなく済んだ。
済んだといっても、相変わらず打ち止めは苦しんでいる。彼女は夫が側に来たことも気づかずに、痛みに顔を歪ませて、いきんでいた。

「打ち止め」
以下略



535:ブラジャーの人[saga]
2012/06/13(水) 20:23:30.96 ID:0l1aWSKh0


曖昧な夢ではない、本当の産まれたての赤ん坊の泣き声。生命の誕生。

産科医の腕に抱かれて、自分の子供が目の前にやってくる。
以下略



536:ブラジャーの人[saga]
2012/06/13(水) 20:24:45.96 ID:0l1aWSKh0


あぁ、ミサカとあの人の赤ちゃんが産まれた。元気に泣いてる。良かった。
ミサカもなんとか生きてる……。死ぬかと思った、ってミサカはミサカは鼻からスイカは伊達ではなかったと実感してしまったり。

以下略



537:ブラジャーの人[saga]
2012/06/13(水) 20:26:53.23 ID:0l1aWSKh0

「ネーミングセンス皆無の汚名返上だぜぇ…、ってミサカは、……ミサカは……」
「オイ!? 打ち止め、しっかりしろっ」

あれほど強い力で握られていた打ち止めの手が、一気に脱力してずり下がる。息子に気を取られていた青年は、
以下略



538:ブラジャーの人[saga]
2012/06/13(水) 20:29:25.27 ID:0l1aWSKh0

実のところ調整用の培養器も準備していたが、それの出番は見送られた。

一般の病室で、いまだ意識が戻らずベッドに横たわる打ち止めと、彼女の回復に能力を使用している一方通行。
保護者二人と番外個体は、乳児用のベッドで寝ている護の周りに群がっていた。
以下略



539:ブラジャーの人[saga]
2012/06/13(水) 20:32:55.99 ID:0l1aWSKh0

「わぁ……」

初めて抱かれる母親の腕の中、赤ん坊はもぞもぞと動いている。
「ぱくぱく」と開けたり閉じられたりする口を見て、打ち止めが左手だけで子供を支え、着ていた患者用の服の前をはだけだした。
以下略



540:ブラジャーの人[saga]
2012/06/13(水) 20:34:48.41 ID:0l1aWSKh0

椅子に腰かけて、護の頬をつつく一方通行。その手を追って、打ち止めが目を合わせる。
柔らかく微笑んだ目に涙が滲んでいた。

「ありがとう、ってミサカはミサカはあなたにお礼を言ってみる」
以下略



541:ブラジャーの人[saga]
2012/06/13(水) 20:35:47.27 ID:0l1aWSKh0
とりあえずここまで。

次回の投下が本編最後かなぁ?


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