過去ログ - 少女「それは儚く消える雪のように」 2
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151:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/03/24(土) 21:57:14.86 ID:s9qUNLnH0
いつ掘られたものなのかは分からない。

絃が掘ったのだろう。

おそらく、桜を連れて本部に出頭した最後の日に。
以下略



152:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/03/24(土) 21:57:53.62 ID:s9qUNLnH0
――涙が流れた。

最後に文の名前を彫り終わって、
絆は彫刻刀を取り落とした。

以下略



153:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/03/24(土) 21:58:23.26 ID:s9qUNLnH0
もう戻らない日々。

もう返らない日々。

ピンク色の花びらが舞っている。
以下略



154:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/03/24(土) 21:58:58.67 ID:s9qUNLnH0


雪の目が覚めたと聞いたのは、
それから二日経ってのことだった。

以下略



155:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/03/24(土) 21:59:30.89 ID:s9qUNLnH0
窓が開いていて、排気ガス臭い空気が部屋に充満している。

絆は雪の頭を撫でて、それを締めようと窓に近づいた。

「あ……締めないで」
以下略



156:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/03/24(土) 22:00:10.79 ID:s9qUNLnH0
「みんな、天国にいるよ」

雪は一瞬停止した後、絆にそっと、微かな笑顔を向けた。

「……そうなんだ」
以下略



157:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/03/24(土) 22:00:42.46 ID:s9qUNLnH0
彼女の白濁した瞳から一筋涙が流れて落ちる。

さやさやと、排気ガス臭い風が吹いていた。

作られた町。
以下略



158:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/03/24(土) 22:01:15.40 ID:s9qUNLnH0
俺は……負けない。

負けるものか。

折れそうな心の中で、一つだけそう思う。
以下略



159:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/03/24(土) 22:01:56.56 ID:s9qUNLnH0
たとえどんなに世界が混乱していようと。

明日終わってしまうような
か細い世界だったとしても。

以下略



160:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/03/24(土) 22:05:20.35 ID:s9qUNLnH0
お疲れ様でした。

第四話「小春色の叫び」はこれで終了となります。

第五話に続かせていただきます。
以下略



161:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2012/03/24(土) 22:06:59.87 ID:2h5Y9xsn0
乙!
しかし、>>1の伏せんの貼り方が上手すぎる。


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