過去ログ - 勇者「淫魔の国の王になったわけだが」
1- 20
118: ◆1UOAiS.xYWtC[sagesaga]
2012/03/27(火) 03:39:46.12 ID:h7sEMOtHo
その後、妙に気まずい晩餐を終え、約束の「夜」がやって来る。
チラチラと熱っぽい視線を向ける堕女神を意識しながらでは、夕餉の味など分かりもしなかった。
勇者は実のところ、彼女を抱く気は無かった。
勝者の権利、と言えば聞こえは良いが、これは実質、レイプにしかならない。
勝ちはしたが、彼女に対する一種の崇敬は未だなくなったわけではない。
以下略



119: ◆1UOAiS.xYWtC[sagesaga]
2012/03/27(火) 03:40:11.60 ID:h7sEMOtHo
勇者「そっか。……これが、『心が死ぬ』って事なのかな」

昔手こずらされた魔物を、何の感慨もなく虫のように切り伏せられた事。
呪文も回復も行う事無く、ただ「戦う」だけで作業のように処理できた事。
次いで、今回のワルキューレとの戦い。
以下略



120: ◆1UOAiS.xYWtC[sagesaga]
2012/03/27(火) 03:41:36.95 ID:h7sEMOtHo
促され、入ってくる彼女はどこかスッキリとした面持ちだった。
素肌に真っ白いガウンをまとい、持ち前の金髪は美しく整えられていた。
俯き加減ではあるが、その表情に悲痛さはない。
むしろ認められたのは、どこかしらの恥じらい。
栄誉を受ける新兵にも似た、はにかんだ表情。
以下略



121: ◆1UOAiS.xYWtC[sagesaga]
2012/03/27(火) 03:42:10.50 ID:h7sEMOtHo
ワルキューレ「……貴公に任せる。私は、今晩は貴公の物なのだろう……?」

勇者「……覚悟は、出来ているようだな」

ワルキューレ「それで……何を、すればいい?」
以下略



122: ◆1UOAiS.xYWtC[sagesaga]
2012/03/27(火) 03:42:47.82 ID:h7sEMOtHo
ワルキューレ「………そうか」

勇者「『淫魔を総べる王』には相応しくないと思ったか?」

ワルキューレ「そんな事は無い。……昼間の闘いで、貴公の事は理解できたつもりだ」
以下略



123: ◆1UOAiS.xYWtC[sagesaga]
2012/03/27(火) 03:43:18.98 ID:h7sEMOtHo
そこで言葉を切り、声に鉛を詰めたような重みが注がれた。
彼女を押し倒した姿勢のまま至近から放たれた声は、潰れるように重く、
表情は羅刹のごとき厳しさのまま、固定されていた。

勇者「…俺の国に、俺の国民に手を出すというなら黙ってはいない。たとえ『神』だろうと―――討つ」
以下略



124: ◆1UOAiS.xYWtC[sagesaga]
2012/03/27(火) 03:44:06.99 ID:h7sEMOtHo
勇者「……何だって?」

場の空気を壊し、完全に気勢を削がれながら訊き返す。
先ほどまでの殺意が嘘のように、完全に出鼻を挫かれて。

以下略



125: ◆1UOAiS.xYWtC[sagesaga]
2012/03/27(火) 03:44:48.47 ID:h7sEMOtHo
勇者「……本当に、それだけなのか?」

ワルキューレ「…そうだ」

勇者「…………」
以下略



126: ◆1UOAiS.xYWtC[sagesaga]
2012/03/27(火) 03:46:03.60 ID:h7sEMOtHo
ワルキューレ「……ば、莫迦にしているだろう!?」

勇者「…………」

ワルキューレ「頼む、何か言ってくれないか」
以下略



127: ◆1UOAiS.xYWtC[sagesaga]
2012/03/27(火) 03:46:30.75 ID:h7sEMOtHo
勇者「……」

ワルキューレ「……さ、最後まで言えというのか?」

勇者「いや、言いたい事は分かる。分かるんだが」
以下略



1002Res/386.64 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice