過去ログ - 勇者「淫魔の国の王になったわけだが」
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120: ◆1UOAiS.xYWtC[sagesaga]
2012/03/27(火) 03:41:36.95 ID:h7sEMOtHo
促され、入ってくる彼女はどこかスッキリとした面持ちだった。
素肌に真っ白いガウンをまとい、持ち前の金髪は美しく整えられていた。
俯き加減ではあるが、その表情に悲痛さはない。
むしろ認められたのは、どこかしらの恥じらい。
栄誉を受ける新兵にも似た、はにかんだ表情。
以下略



121: ◆1UOAiS.xYWtC[sagesaga]
2012/03/27(火) 03:42:10.50 ID:h7sEMOtHo
ワルキューレ「……貴公に任せる。私は、今晩は貴公の物なのだろう……?」

勇者「……覚悟は、出来ているようだな」

ワルキューレ「それで……何を、すればいい?」
以下略



122: ◆1UOAiS.xYWtC[sagesaga]
2012/03/27(火) 03:42:47.82 ID:h7sEMOtHo
ワルキューレ「………そうか」

勇者「『淫魔を総べる王』には相応しくないと思ったか?」

ワルキューレ「そんな事は無い。……昼間の闘いで、貴公の事は理解できたつもりだ」
以下略



123: ◆1UOAiS.xYWtC[sagesaga]
2012/03/27(火) 03:43:18.98 ID:h7sEMOtHo
そこで言葉を切り、声に鉛を詰めたような重みが注がれた。
彼女を押し倒した姿勢のまま至近から放たれた声は、潰れるように重く、
表情は羅刹のごとき厳しさのまま、固定されていた。

勇者「…俺の国に、俺の国民に手を出すというなら黙ってはいない。たとえ『神』だろうと―――討つ」
以下略



124: ◆1UOAiS.xYWtC[sagesaga]
2012/03/27(火) 03:44:06.99 ID:h7sEMOtHo
勇者「……何だって?」

場の空気を壊し、完全に気勢を削がれながら訊き返す。
先ほどまでの殺意が嘘のように、完全に出鼻を挫かれて。

以下略



125: ◆1UOAiS.xYWtC[sagesaga]
2012/03/27(火) 03:44:48.47 ID:h7sEMOtHo
勇者「……本当に、それだけなのか?」

ワルキューレ「…そうだ」

勇者「…………」
以下略



126: ◆1UOAiS.xYWtC[sagesaga]
2012/03/27(火) 03:46:03.60 ID:h7sEMOtHo
ワルキューレ「……ば、莫迦にしているだろう!?」

勇者「…………」

ワルキューレ「頼む、何か言ってくれないか」
以下略



127: ◆1UOAiS.xYWtC[sagesaga]
2012/03/27(火) 03:46:30.75 ID:h7sEMOtHo
勇者「……」

ワルキューレ「……さ、最後まで言えというのか?」

勇者「いや、言いたい事は分かる。分かるんだが」
以下略



128: ◆1UOAiS.xYWtC[sagesaga]
2012/03/27(火) 03:47:45.09 ID:h7sEMOtHo
勇者「何故だ。俺は、『淫魔の王』なんだぞ。なぜ……そんな事が言えるんだ?」

ワルキューレ「貴公を、もっと知りたいと思った。人の身でそこまで練り上げるに至った、物語を」

勇者「……『主神』はどうなる」
以下略



129: ◆1UOAiS.xYWtC[sagesaga]
2012/03/27(火) 03:48:20.68 ID:h7sEMOtHo
言って、勇者は身を起こす。
押し倒し、鼻先が触れ合う距離、吐息がくすぐったく感じるような距離から離れる。
その刹那、彼女がどこか名残惜しそうな表情をしたが、彼は気付くまいとした。
気付いてしまえば――欲望のままに彼女を貪り、荒淫に耽ってしまいそうだったから。

以下略



130: ◆1UOAiS.xYWtC[sagesaga]
2012/03/27(火) 03:49:19.38 ID:h7sEMOtHo
勇者「いや、そう言うのはずるいだろ」

ワルキューレ「……」

勇者「別にお前がどうとかいうんじゃなく……その。『客人』に手を出すのもどうかと思ってだな」
以下略



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