過去ログ - 後輩「それじゃ、本当にこれでお別れです」
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238:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/05/07(月) 14:39:29.73 ID:SeOAfSECo

 前後の状況を踏まえれば、あのとき俺が聞き取れなかったのはカリオストロの影響なのだろう。
 カリオストロ――あの男についても、分からないことが多い。いま考えるのはよそう。

 そして実際、カリオストロの使役する(らしい)黒犬が俺を追いかけた。
以下略



239:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/05/07(月) 14:40:55.33 ID:SeOAfSECo

 そして、次に目を覚ましたとき、俺は"魔法使い"の事務所にいた。
 彼女が本当に魔法使いなのかどうかはさておくとして、彼女はたしかに大男の怪我を治して見せた。
 俺はあのときの大男の姿を思い出す。――どう考えても、医者でもない人間が治せるレベルの怪我じゃなかった。
 
以下略



240:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/05/07(月) 14:41:22.15 ID:SeOAfSECo

 次は――そうだ、これはある意味、いちばん最初に起こったことだとも言えるが、噂の話だ。

 例の怪談。"冥界"の鏡の話。あれを流したのは"俺"だという話が、突然出てきたのだ。
 ちょうど、人々の姿が消えはじめたのと同じ時期だった。
以下略



241:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/05/07(月) 14:42:24.63 ID:SeOAfSECo

 ハカセの言葉は要領を得なかったが、結局、俺以外の皆はその場で彼の思いつきに参加し、のちに俺も加わることになった。

 そういえば――その頃からだろうか。俺が妙に憂鬱になり、小難しいことばかり考えるようになったのは。
 暗くて後ろ向きで、観念的で地に足のついていない思索に夢中になりはじめたのは。
以下略



242:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/05/07(月) 14:42:55.92 ID:SeOAfSECo

 そうして旧校舎を調べることになった。鏡には何の変哲もなかった。
 だが、その日からトンボは姿を見せていない。シンプルに考えれば、彼は"冥界"に呑まれたということになる。

 俺はトンボの行方を確認していない。
以下略



243:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/05/07(月) 14:44:06.14 ID:SeOAfSECo

 どの話をさして言ったのかは分からないが、スズメはこの頃、「いつまで茶番を続けるつもり?」と言った。

 彼女には"茶番"に見える何かがあったということだろう。
 あのスズメという少女の存在についても……考えてみるべきなのだろう、本来ならば。
以下略



244:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/05/07(月) 14:44:50.57 ID:SeOAfSECo

 黒スーツの男に会えば、彼もまた俺のことを忘れていた。

 そしてそれから、後輩と会うことになる。

以下略



245:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/05/07(月) 14:45:41.09 ID:SeOAfSECo

 ひとまず、大雑把に、近頃起こった変化を、おおまかに区別する。

"俺についての変化"…………A
"カリオストロ、ガラテア、ティアについての変化"…………B
以下略



246:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/05/07(月) 14:46:07.38 ID:SeOAfSECo

 それを考えると、"後輩がいなくなった"タイミングというのが、おそらく変化が起こったタイミングなのだ。

 ここから発想すると、
 
以下略



247:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/05/07(月) 14:46:58.29 ID:SeOAfSECo

 つまり、あの日"鏡"に飲み込まれ、"冥界"にやってきたのは、俺たち三人の方だったということだ。
 俺たちが現実だと信じていたこの世界は、あの日以来"冥界"だったのだ。

 酷似したふたつの世界が存在し、俺たちはあの日を境に"冥界"にきていた。
以下略



248:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/05/07(月) 14:47:54.33 ID:SeOAfSECo

 彼女と再会できたのは、「彼女が鏡の中から現実に戻ってきたから」ではなく、さらに言えば「俺たちが冥界から出て行ったから」でもない。 

 彼女は俺と再会したとき、「旧校舎の鏡をもう一度調べた」と言った。おそらくそのとき、彼女もまた"こちら"に来たのだ。

以下略



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