2:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/05/08(火) 22:07:37.31 ID:J+4mAWs60
――記憶の凍結?
そんな能力の使い道、聞いたことがない。
唖然とした硲の目の前で、涙は何かをブツブツと呟きながら、
3:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/05/08(火) 22:08:20.12 ID:J+4mAWs60
「しばらくは赤ん坊と同じになるよ。
記憶を全て消したわけだからね」
「新しい人格を与える訳か……」
4:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/05/08(火) 22:09:09.05 ID:J+4mAWs60
姉は振り返って頷いた。
「うん。別に殺さなくてもいいでしょ」
「エリクシアが洗脳してまで送り込んできた魔法使いだよ
5:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/05/08(火) 22:10:02.36 ID:J+4mAWs60
「お前らしくないな……随分と苛立ってるみたいだが、
そんなに死んだのが気に食わなかったのか?
余裕がなかったから
お前達に認識させちまったのは悪かったが……」
6:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/05/08(火) 22:10:49.43 ID:J+4mAWs60
押し殺した声でそう言われ、
涙はきょとんとして自分を指さした。
「あたし?」
7:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/05/08(火) 22:11:35.55 ID:J+4mAWs60
そして背後の瓦礫に力なく寄りかかって俯く。
「そうかよ……」
「…………」
8:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/05/08(火) 22:12:25.04 ID:J+4mAWs60
「大人は他人の安い挑発になんて乗らないよ」
「挑発になんて乗ってない! 僕は……」
「僕は僕はって、あんたは自分のことしか言わないね。
9:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/05/08(火) 22:13:11.31 ID:J+4mAWs60
「は、は、はざま……にいさ、ま」
そこで、今までずっと黙っていた
愛寡がどもりながら口を開いた。
10:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/05/08(火) 22:13:50.37 ID:J+4mAWs60
そういう風に他人に言われたのは、初めてのことだった。
愛寡は手を伸ばして、硲の服の袖を引いた。
「行か……な、ないで…………」
11:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/05/08(火) 22:14:27.17 ID:J+4mAWs60
泉は悪くない。
悪いのは……。
そう、敢えて言うならば悪いのは自分。
12:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/05/08(火) 22:15:19.71 ID:J+4mAWs60
「あたしに。兄さんに。みんなに感謝しなきゃ。
あんたが今こうしてここにいれるのは、
少なくともみんなのおかげなんだから」
「…………」
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