1:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/05/10(木) 22:04:35.11 ID:sEnJHyy00
 
  
 「お願いっ、打ち止め、私と一緒に住んでほしいの!」 
  
 パンッ、と手を合わして頭を垂れるのは、姉である御坂美琴だった。 
 え、と息が詰まる。 
 いきなり下位個体を連れて自分の居候先に来て、何を言い出しているのだ、この姉は。 
 ……いや、いきなりではないらしい。どうやら黄泉川達が驚いたり何もリアクションをとっていないあたり、既にそちらには話がいっているのだろう。 
  
 「えーっと、何でいきなり?ってミサカはミサカは尋ねてみる」 
  
 とりあえず動機を尋ねてみることにした。 
 美琴は姿勢を直してから、困ったような顔で 
  
 「実は私、来週から一人暮らしすることになったのよね。だから、一緒に住んでくれないかな……って」 
  
 つまり、一人は寂しいから誰か一緒にいてほしいと。そういうことなのだろう。 
 ……しかし、あまりにもいきなりすぎる。 
 自分が渋るような顔をしたのに気づいたのだろう。美琴の後ろで今まで一言も喋らなかった下位個体が、一歩前に踏み出して、先ほどの美琴のように頭を下げた。 
  
 「ミサカからもお願いします、とミサカは頭を下げながら嘆願します。お姉様とどうか、一緒に住んではいただけませんか?」 
  
 下位個体に頭を上げさせて、美琴は優しく自分に笑いかける。 
  
 「あのね、打ち止め。別に何年間も一緒に住めとか言ってないのよ。半年……も、ない、かな」 
  
 「お姉様!」 
  
 
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2:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/05/10(木) 22:05:16.38 ID:sEnJHyy00
  
 何が気にさわったのか、下位個体が声をあげた。美琴がごめんごめんと苦笑しながら謝ると、下位個体は苦虫を噛み潰したような顔で口をつぐんだ。 
 美琴は嘆息し、打ち止めの方へまた 
  
 「だから駄目……かな?」 
3:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/05/10(木) 22:08:08.13 ID:sEnJHyy00
  
 次の週末は意外にも早く来た。 
 楽しみで毎日が長く感じるかも、と思っていたのだが、服の用意をしたり、色々準備があったからだろう。 
 10時ごろに美琴は黄泉川家へと迎えに来た。 
 黄泉川や芳川にぺこりと頭を下げると、美琴は奥のほうで静かに佇んでいた一方通行と番外個体に、一言だけ言葉を投げた。 
4:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/05/10(木) 22:09:50.72 ID:sEnJHyy00
  
 美琴に手を引かれながら、打ち止めはぼんやりと彼女のことを思考する。 
 出会ったのは第三次世界大戦が終わった少し後。 
 今からたった数ヶ月前のことだ。 
 第三次製造計画のことをしって激怒したり、一方通行と衝突したり、芳川も含めて和解したり、あの時は本当に大変だった。 
5:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/05/10(木) 22:11:09.72 ID:sEnJHyy00
  
 「えへへ、ピカピカだーってミサカはミサカは驚いてみる!」 
  
 「出来たばっかりだからね、ここ。あ、今のうちに合鍵渡しておくわよ。なくさないようにね」 
  
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