過去ログ - 垣根「言ってるだろう、俺に常識は通用しねえって」
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2012/05/24(木) 21:42:17.68 ID:+VJVaTs+o
その翼を見た瞬間、俺の中の何かが覚醒した。
さっきまで意味が分からなかった『飾利』の言葉が、手に取るように理解できた。
俺は『飾利』の発する異界の言語を、頭の中でこの世界の言語に翻訳していく。
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2012/05/24(木) 21:43:17.65 ID:+VJVaTs+o
「テ、テメェ何なんだそれは……?」
少女の声が聞こえる。
先ほどまでとは違う、驚愕と、狼狽の混じった声色だった。
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2012/05/24(木) 21:45:10.79 ID:+VJVaTs+o
あの瞬間、『飾利』が俺に伝えたもの。
それは、教科書に書いてあることを悉く否定する、奇天烈な物理法則と、それらを加不足なく解き明かす方程式だった。
「(あの一瞬、確かに俺は、それら全てを理解した……)」
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2012/05/24(木) 21:49:44.10 ID:+VJVaTs+o
俺の背中に生えていた翼は、さっき見た『飾利』に生えていたそれと、瓜二つであった。
おいおい、確かに何なんだこいつは?
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2012/05/24(木) 21:50:45.48 ID:+VJVaTs+o
「な、なめてんじゃねえぞこのメルヘン野郎が!!!」
少女が起き上がり、ビームを放ってくる。
だがそれも、俺の翼には傷一つつけることはできなかった。
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2012/05/24(木) 21:51:45.73 ID:+VJVaTs+o
形勢は完全に逆転した。
もはやこの少女は、満身創痍の今の俺にすら、脅威とはなりえない。
「ちきしょおおお!!!!!
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2012/05/24(木) 21:52:48.21 ID:+VJVaTs+o
「『メンバー』……統括理事長の狗が、横からしゃしゃり出てきて何の用だ?」
少女が忌々しげに男を睨み付ける。
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2012/05/24(木) 21:54:05.77 ID:+VJVaTs+o
「なるほど、実に興味深い。こうして観察するだけでも退屈しない。
先の報告書に目を通した時には、浪漫を感じたと同時に懐疑も生じたが、
これならば『この世界に存在しない物質』と言われても納得がいく。
これが『暗黒物質』か。いや、既にその言葉本来の意味合いからは離れている。
同じ『ダークマター』でも、こちらはむしろ『未元物質』と言ったところか。」
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2012/05/24(木) 21:55:27.81 ID:+VJVaTs+o
「おいテメェら、何私を無視して話を進めてやがる?
そいつは私がこの手で引き裂いてぶち殺してやるって決めてんだ。
邪魔するようならテメェらから消し炭にしてやってもいいんだぞ?」
少女が男達に殺意の篭もった視線を投げつけた。
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2012/05/24(木) 21:57:04.82 ID:+VJVaTs+o
「おい。お前、垣根とか言ったな。」
少女が白髪の男から視線を外し、俺のほうを向く。
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[sage]
2012/05/24(木) 21:59:10.46 ID:+VJVaTs+o
今日はこの辺で。
指摘があったけど、『暗黒物質』表記は別に間違えてたわけじゃないんだ。
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