過去ログ - 妹「なぜ触ったし」
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127:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/05/29(火) 14:21:02.28 ID:av387bn2o

 妹は相変わらず口を聞いてくれず、俺はもう諦めかけていた。
 いつまで会話しない状況が続くのか分からないが、もう好きにしてくれという気分だった。
 
 何よりも腹立たしいのは、必要最低限の「会話」は成立することだった。
以下略



128:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/05/29(火) 14:21:48.50 ID:av387bn2o

 そんなわけで、我が家には対話がない日が続いていたが、学校生活の方は、静かに、けれど大きく変化しはじめていた。

 俺はいつも昼休みをモスとふたりだけで過ごしていたが、そこにまずタカヤと幼馴染が加わった。
 更にそこに先輩も参加するようになる。一気に二倍以上だ。一番とまどったのはモスだっただろう。
以下略



129:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/05/29(火) 14:22:03.61 ID:av387bn2o

 新聞部の部室には何人かの先輩がいた。普段からここで昼食をとっている人たちがいるらしい。
 先輩はいつもひとりで食べているという。なぜ? とタカヤが訊ねると、彼女は照れくさそうに苦笑した。

「わたし友達いないんだよね」
以下略



130:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/05/29(火) 14:22:29.91 ID:av387bn2o

 俺はほとんどやけになっていた。もう知ったことか、と思っていた。
 幼馴染は少しでも自分の望ましい方向に話が動くように努力を続けた。

 それは悪趣味なたくらみというよりは、達成するべき目標があるから、という雰囲気だ。
以下略



131:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/05/29(火) 14:23:04.78 ID:av387bn2o

 タカヤに嘘を暴露することで信頼を失うわけにはいかない。
 ということは、一緒に相談に乗ることになった先輩をも騙さなければならないのだ。 
 さらに言えば幼馴染の目的が達成されるまで、俺たちは付き合っているふりを続けなくてはならない。

以下略



132:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/05/29(火) 14:23:33.06 ID:av387bn2o

 だから企みごとなんてしないべきなんだ、と俺は思った。
 面倒なことになっちまったじゃないか。でも、これ以上の混乱は起こらないだろう、さすがに。

 なんだってこんなに面倒なことになったのか。
以下略



133:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/05/29(火) 14:24:24.98 ID:av387bn2o

 タカヤは先輩と話をしていた。もはや相談に乗る必要なんかないんじゃないか、とすら思う。
 けれど、彼の悩みがそんなに早く解決してしまったら――嫌な話ではあるが――困るのだ。
 少なくとも、幼馴染の友人を引き合わせるまでは、彼には悩んでいてもらわなくては。

以下略



134:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/05/29(火) 14:24:56.17 ID:av387bn2o

 これ以上事態をややこしくしないためにも、幼馴染の友人とタカヤを引き合わせるのは早い方がいい。 
 その手段も、単純な方がいいはずだ。
 けれど、だからといって今日、この瞬間に幼馴染が友人を呼びに行くのは不自然だろう。
 
以下略



135:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/05/29(火) 14:26:06.50 ID:av387bn2o

 ときどき先輩が、俺と幼馴染に向けて意味ありげな視線を向けた。 
 あんたたちの考えてることなんて全部お見通しだから、とでも言っているように見えた。

 実際、彼女は俺たちの仲をあからさまに疑っているように思える。俺が過敏になっているだけかもしれないが。
以下略



136:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/05/29(火) 14:26:59.28 ID:av387bn2o

「隠してたんです。気恥ずかしくて」

「じゃ、なんで急に明かす気になったの?」

以下略



137:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/05/29(火) 14:27:52.09 ID:av387bn2o

 モスは状況が読みこめていないようだったが、先輩に対して悪印象は抱いていないらしい。
 タカヤに対しても、ごく自然に振る舞っている。もともと彼は、大勢の人間と一緒にいるのが苦にならないタイプだ。

 タカヤはといえば、一応は緊張しているらしい。
以下略



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