256:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/06/05(火) 14:41:57.81 ID:MUw0mT8io
タカヤがしたものと同様の疑問を、俺は幼馴染に投げかけねばならなかった。
「なんで、もう嘘をつく必要もないのに、付き合ってるふりを続けたんだ?」
257:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/06/05(火) 14:42:28.06 ID:MUw0mT8io
「もちろん、冗談です」
彼女は言いながら膝の上の弁当を箸でつつく。俺たちは昨日と同じように中庭で昼食をとっていた。
258:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/06/05(火) 14:42:54.47 ID:MUw0mT8io
俺は少し安堵した。まさか幼馴染だって、彼女をひとりぼっちで放ってきたりしないだろうと思ってはいたが。
「みーのこと、気になります?」
259:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/06/05(火) 14:43:21.99 ID:MUw0mT8io
「もちろん、冗談です」
四六時中冗談を言っているような奴なので、ときどき本気と冗談の区別がつかない。
260:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/06/05(火) 14:43:48.20 ID:MUw0mT8io
「でも、タカヤくんって、先輩にはまだ告白してませんよね?」
彼女は俺の顔を見上げた。
261:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/06/05(火) 14:44:15.36 ID:MUw0mT8io
「でも結局、あのままなら同じだったと思います。わたしたちだって、先輩と一緒に居たら疲れましたし」
「バッサリ言うなぁ」
262:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/06/05(火) 14:45:07.64 ID:MUw0mT8io
そろそろ話してもいいか、という気分になっていた。
普通に考えれば軽蔑されるだろうが、それならそれで仕方ない。自業自得。俺は楽観的だった。
「実は、このあいださ」
263:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/06/05(火) 14:45:35.84 ID:MUw0mT8io
やがて俯いたかと思うと、肩を震わせ始める。くぐもった息がもれる。笑っていた。
「……笑いごとじゃないんだ。俺にとっても妹にとっても」
264:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/06/05(火) 14:46:02.31 ID:MUw0mT8io
「どうしてそんなことを?」
「魔がさした。としか」
265:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/06/05(火) 14:46:36.01 ID:MUw0mT8io
「まぁ、相談くらいになら乗りますよ。協力しようとするとややこしいことになりそうなのでやめておきますが」
それがいい。俺は溜め息をついた。実際問題、どうしたら元通りになれるんだろうか。
ひょっとしたら、それだろうか? 俺が失ったもの。平穏な家庭。壊したのは俺。あほである。
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