447:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/06/14(木) 01:33:25.81 ID:mIB6jAMCo
「どう思う?」
俺が訊ねる。
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2012/06/14(木) 01:33:59.95 ID:mIB6jAMCo
俺たちは教室に残ってタカヤの帰りを待った。
彼が戻ってくるのは想像したよりもずっと早かった。十五分もかからなかったんじゃないかと思う。
教室に戻ってくると、タカヤは俺たちの方を見て寂しそうに笑った。彼はどんな顔をさせても似合う。
449:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/06/14(木) 01:34:29.80 ID:mIB6jAMCo
帰り道で一緒になった幼馴染は、タカヤのことについて一言も触れなかった。
彼女が先輩に対してどのようなことを言ったのかはしらない。特に聞きたくもない。
今となっては終わった話だった。
450:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/06/14(木) 01:35:59.36 ID:mIB6jAMCo
家に帰る。俺は無性に落ち着かない気分だった。
なんというか無性に。この気分はあのときに似ている。あの、あれ。あの夜。妹の胸を触ったときの感覚に。
そんなんだったので、なんといっても抑えが利かなかった。自分が何かに操られているような感覚。
451:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/06/14(木) 01:36:29.67 ID:mIB6jAMCo
背中に回した腕を動かして、彼女の後ろ髪に触れた。俺はなんだか泣きたい。
俺はたぶん何かを求めて、その為に行動していたのだけれど、その何かってなんなんだろう。
それがわからないからずっと混乱している。でも、俺がほしいものはずっと明確なのだ。
452:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/06/14(木) 01:36:58.15 ID:mIB6jAMCo
俺との距離を取り直すと、彼女は両手で俺の身体をリビングから追いやった。
そうして扉を閉める。すると、何か悲鳴だか歓声だかわからないような声が、いくつか部屋の中から聞こえた。
俺は玄関を見る。見覚えのない靴が二組並んでいた。
453:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/06/14(木) 01:37:38.32 ID:mIB6jAMCo
「友達が来てる」
「お前、友達いたんだな」
454:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/06/14(木) 01:38:28.96 ID:mIB6jAMCo
「まぁちょっと待ってろ。俺が小粋なジョークで場をなごませてくるから」
「お願いだからやめて」
455:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/06/14(木) 01:39:39.36 ID:mIB6jAMCo
俺は自分の性欲について考えた。性欲。俺はひょっとしたら人より強いのかもしれない。
うーん。けれど、なんといおうか、近頃の自分の行動をかんがみるに、やっぱり性的欲求が発散できていないのかもしれない。
暴走しがちだし。やたら怒るし。
456:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/06/14(木) 01:40:23.03 ID:mIB6jAMCo
リビングに降りると妹がコタツで眠っていた。俺はテレビの電源を入れて、平然とその隣に腰を下ろす。
テレビの中の声を聞きながら、ぼんやり妹の寝顔を眺めた。なんだかなぁ、という気分になる。
俺は今まで見当違いのことをやっていた気がする。
457:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/06/14(木) 01:40:49.15 ID:mIB6jAMCo
つづく
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