58:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/05/26(土) 16:25:31.56 ID:yuDoQasso
モスは放課後にもう一度タカヤと話をしようとしたが、彼は早々に部活に向かってしまい、機会を逸した。
俺たちは溜め息をついて教室に残る。
誰にも言わないというのなら、たしかに害はないのだが……一人だけとはいえ、妙な誤解を受けたままなのは嫌だ。
タカヤに話があったらしい幼馴染も、俺たちの教室にやってきたが、彼がいないことに気付くと溜め息をついた。
俺たちは三人で教室に残って話をした。
「お前の方の用事ってなんなんだ?」
と訊ねると、幼馴染はそっぽを向いた。
「そっちの事情を教えてもらえないのに、こっちの事情を教える理由がないです」
すました顔が子供っぽくて猫のようにかわいらしい。だが、中身は狡猾な蜘蛛。
俺は溜め息をつく。
モスの表情をうかがう。彼はかなり落ち込んでいる。今朝までは普通だったのに。
何かの拍子で、タカヤがうっかりと俺たちの関係(誤解)を誰かに言ってしまったらどうなるのだろう。
誤解は早めに解かなきゃいけない。
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