7:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/05/25(金) 02:52:41.45 ID:+LQnK3JMo
「ちくしょう!」
俺は叫んだ。
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2012/05/25(金) 02:53:07.95 ID:+LQnK3JMo
ああもうだめ。足は確かに鍛えたが、俺は短距離ランナーだった。愛すべき瞬発力。花火のように一瞬の輝き。
もう疲れた。俺はアスファルトに倒れ込む。もう、煮るなり焼くなり好きにしてくれ。
息も絶え絶え崩れ落ちた俺の姿があまりに情けなかったからか、男たちは拍子抜けしたようで、何もしてこなかった。
9:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/05/25(金) 02:53:38.78 ID:+LQnK3JMo
ちくしょう。
最後に泣くことになったって、途中でたくさん笑えた方がいいに決まってるじゃねえか。
馬鹿親父、俺はなんかつらいぞ。
10:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/05/25(金) 02:53:59.40 ID:+LQnK3JMo
コタツは戦場である。
領地争いは冷戦めいている。
一見なにも起こっていないように見えても、水面下では争いが繰り広げられているのだ。
11:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/05/25(金) 02:54:29.98 ID:+LQnK3JMo
すっげえ邪魔である。
かろうじて二か所、足を延ばそうな場所があるが、寝転がるとなるとやっぱり対角線が邪魔である。
12:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/05/25(金) 02:54:56.18 ID:+LQnK3JMo
いや、まぁエジソンはどうでもいい。だが、ひらめいたのは確かだ。
うちのコタツは長方形。
短い辺と長い辺の入口があり、体がすっぽり寝転がれるのは短い辺から体を突っ込んだ場合だけ。
13:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/05/25(金) 02:55:25.84 ID:+LQnK3JMo
そんな具合なので、冬になると、毎年自然に妹との距離が近付く。
みかんを食べたりお茶を飲んだり、マリオパーティをしたりマリオカートをしたりスマブラをしたりする。だいたい負ける。
気付けば季節は秋を通り越し、冬である。冬って言ったら寒い。寒くなったらコタツだ。コタツこそが冬であった。
14:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/05/25(金) 02:55:52.71 ID:+LQnK3JMo
ちょっとした気分で、触ってみた。
胸をね。
15:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/05/25(金) 02:56:28.70 ID:+LQnK3JMo
「ちょっとした事故だ」
俺は咄嗟に言い訳を並べようとした。対話は人類を幸福にすると、俺は信じていたような気がする。
16:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/05/25(金) 02:56:55.26 ID:+LQnK3JMo
中身のない会話をしていると、妹は不意にはっとしたように表情を変え、俺の頭を叩いた。
「なぜ叩く」
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