167:箱庭の魔女[saga]
2012/07/11(水) 22:59:50.83 ID:qQjvGW6F0
まどか「…………こんな…………ぜっ……おかしいよ…………」
さやか「…………」
背の低い私は、自分で言うのもなんですがそんなに体力に自信がある方ではありません。
さやかちゃんを肩車する屈強な筋肉は、私には備わっていないのです。
まどか「…………」
さやか「…………」
しかし言いだしっぺは私です。
映画のように雄叫びを上げるには、些かキュゥべえの名前を叫ぶときに酷使した喉では不安だったので、無言で気合を入れます。
私は頭の中で一、二の三と数え、さやかちゃんを一気に持ち上げました。
さやか「がっ」
ゴッという音が小さな空間に響き渡りました。
その音が聞こえたのと同時に、頬っぺたにくっつくすべすべふにふにの柔らかな太ももを通って、突然私の肩に衝撃が押し寄せたのです。
思わずバランスを失ってしまった私は、もはや自分を支えることもできず、前面に倒れこみました。
さやか「がっ」
ゴッという音が再び小さな空間に響き渡りました。
どういうわけだか、私の体は前傾姿勢を保ったまま、それ以上地面に近づくことはありませんでした。
今のうちに所在を失っていた右足を押し出し、なんとか二人分支えようと試みます。
すると、何かが擦れるような。
まるで誰かのおでこと壁が擦れるような、キュキュキュッという音が鳴りながら、私の頭は垂れてしまい、
さやか「がっ」
三度目のゴッという音が響き渡りました。
そして、壁と床の間に頭を突っ込んださやかちゃんと目が合いました。
さやか「…………」
まどか「…………」
さやか「…………」
まどか「…………」
私は全ての事情を察し、ゆっくりと肩からさやかちゃんを降ろしました。
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