25:参観日[saga]
2012/05/30(水) 23:44:41.77 ID:kWyICNRF0
午前中の授業は短縮だったからか、どれもふわふわした空気に包まれていた。
午後から授業がある先生もない先生も、保護者が来る生徒も来ない生徒も、どこか浮足立っている。
このふわふわ感はオムライスに似ているかも、なんて思う。
私はというと、やっぱり自分で作ったオムライスみたいだった。
昼食を終えて本番が始まる。
何人かは昼休みのうちに現れ、ちらちらとガラス壁の向こうから覗きこんでいる。
気の早い人たちね。
担任が教室に入って、「先生はいつも通りにやるから、君らもいつも通りにな」と、テンプレートの様な挨拶をした。
授業は授業、受験も近いからしっかりやる。
いつも通りと言いながら、いつもより分かりやすい授業をしようとする先生は、少し面白い。
本当に普段もこうだったらいいのに。
「次の問題は……巴。どうだ?」
「はい」
なんてことはない問題だった。
いえ、少し油断していたけど。
保護者がいるいない関係なく当ててくるなんて、普通思わないじゃない。
そんなことを考えながら答え終わって座る直前、ふと廊下側のガラスに目が移った。
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