過去ログ - 梓「サナララ」
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102:猫宮[saga]
2012/11/16(金) 19:21:03.05 ID:hyTDBNXf0
「梓ちゃんのギターのチューニングをしてみたんだ。
お姉ちゃんのギターでした事があるだけだから、ちょっと自信は無いんだけど……。
でもね、私、やっぱり梓ちゃんのギターが聴いてみたくて……」


「やめてよ!」


気が付けば叫んでしまっていた。
家中に響くような大声の絶叫。
まさか自分がこんな大声を出せるなんて思ってなかった。
こんな大声を出しても何の意味も無いって事くらい分かってる。
でも、後々から湧いて来る言葉が止まらない……!


「どうしてそんな……!
貴方はどうしてそんなに誰かの事ばっかり考えられるのっ!
私……、私なんかがギターを持ったって!
何も出来ないし! 弾いたって何にもならないのに!
皆、私から離れて行って! 私から! 私から!
わた……し……、私か……ら……。
うっくっ……、うううううううううっ!」


両目から大粒の涙が流れて止まらなくなって、喉の奥からは嗚咽が漏れ出していた。
止まらない。
涙も嗚咽も止まらない。
ああ……、そうだよね……。
ショックを受けなかったなんて嘘。
涙も出て来なかったなんて真っ赤な嘘。
私はただ必死に涙を止めてただけなんだ。
私、泣きたかったんだ……。
あの子と同じ夢を見るのはもう無理だって、夏休み前からずっと分かってた。
分かっていたけど、少ない可能性を信じたかった。
また二人で楽しく演奏出来るって、儚い夢でも見てたかったのに……。
その夢はずっと失われる事になってしまって……。
もう、私の涙は止まらない。止められない。


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