17:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/07/15(日) 13:31:58.80 ID:Hnia8WO7o
「ちょっと待ってて」
と言って、幼馴染の母はもう一度電話口から離れたようだった。
俺は言葉の通りちょっとだけ待った。ちょっとだけ待っていると、耳に小さく口論を交わすような声が聞こえる。
18:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/07/15(日) 13:32:24.74 ID:Hnia8WO7o
「そっか。じゃあ、用事があるまで時間はあるか?」
「そろそろ出ないと間に合わないんです」
19:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/07/15(日) 13:33:02.83 ID:Hnia8WO7o
会話の内容を横で聞いていた妹が、聞こえよがしに溜め息をつく。
「思うんだけど、兄さんって言動だけ見るとただの勘違い男だよね」
20:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/07/15(日) 13:33:38.11 ID:Hnia8WO7o
外は雪が降っていた。冬の空気。街中は白くかすんで見える。
吐く息は白くて、なんとなく心細い。
"心細い"という言葉が胸にすとんと落ちる。心細いのだ。
21:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/07/15(日) 13:34:10.01 ID:Hnia8WO7o
問題は、と思って、俺は立ち止まる。
また通り過ぎるところだった。
幼馴染の家は城塞のように見えた。気分の問題だろう。
22:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/07/15(日) 13:34:42.09 ID:Hnia8WO7o
階段を昇って幼馴染の部屋に向かう。
彼女の部屋の扉の前で、一度立ち止まる。
と、声がした。
23:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/07/15(日) 13:35:15.05 ID:Hnia8WO7o
さて、どう話したものか。
「……」
24:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/07/15(日) 13:35:41.63 ID:Hnia8WO7o
「で、俺もあいつが好きなんだよね」
「知ってます。見てれば分かります」
25:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/07/15(日) 13:36:13.33 ID:Hnia8WO7o
「ええ、っと」
彼女はしばらく答えに迷っていたようだったが、やがて言葉を吐いた。
26:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/07/15(日) 13:36:45.86 ID:Hnia8WO7o
「つまり、きみは、何をどうするっていうんです?」
「知らん」
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