過去ログ - 俺の妹がこんなに可愛いわけがないSSスレ Part.13
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902: ◆k4qYXRI5uY
2012/10/20(土) 01:12:29.76 ID:HeVeLoH20

俺はやっとそこまで話しが進んだところで、ある場所をあやせに伝えた。あそこなら、きっと誰も居ない。それに、とても分かりやすい。

「じゃ、そういうことで」

電話を切る。
他の皆にも例の場所を伝える。

「ふぅ、一通り伝えたかな」
「よっしゃ、そんじゃあたしらも行くか、クソマネ」
「おう、そうだな」



そう言って俺は煌びやかに光る祭の中心の寺を見る。賑やかに人でごったがえしているその姿はとても美しい。
だけど、俺はもう一つ、密かに光るその場所を知っていた。祭の光に隠れて、密かに光るその場所を。

昔、見つけたその場所。寺の奥の森の中。木が並ぶその中で、その木の周りだけポッカリと開いている。
とても、とても、寂しがりな木の居場所。

一人で行ったその場所を思い返しながら加奈子と歩いていると、あつらえたかのように雪が降り出す。
加奈子がはしゃいで小走りになる。

俺もつられて小走りになりながら森を歩いていく。
もうすぐ、あの場所に着く。

雪が振り出した今があいつ、寂しがりの木の見せ場だ。

「よし、もうすぐ到着だ」
「よっしゃ、早く行って一番乗りしようぜ!」

加奈子は俺の手を取ると、今度は全力で走り出した。

一歩、二歩、三歩、四歩、五歩、六歩、七歩、八歩、九歩……

木々が途切れることなく、続くその中、俺達が十歩目を踏み出した。
その瞬間、今まで続いていた木々が嘘のように無くなり、目の前が開けた。夜なのに眩しくて目を細める。

「うっわぁ」

加奈子の声が聞こえたと思うと、加奈子は手を離してはしゃぎだす。


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