1:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/07/27(金) 02:18:10.55 ID:5GufPHXCo
これは石田衣良の『1ポンドの悲しみ』の中の短編の設定を一部借りた
アイマスのいわゆるクロスSSです。
よろしければおつきあいください。
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2:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/07/27(金) 02:20:35.78 ID:5GufPHXCo
音無小鳥は自分の苗字を気に入ってた。
だって音が無いで音無、なんてちょっと切なくて素敵じゃないか、
そんなふうにぼんやり思っていた。
3:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/07/27(金) 02:21:35.54 ID:5GufPHXCo
「そこを何とか、経費で頼むよ」
「だーめーでーす!
この距離でタクシーを使うくらいなら歩いてください!
その方が健康にもいいですよ?」
4:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/07/27(金) 02:22:51.03 ID:5GufPHXCo
それでも今の職場に不満はなかった。
テレビで活躍しているアイドルたちを見ると、
わが子の成長を見ているようで嬉しくなるものだ。
5:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/07/27(金) 02:24:41.18 ID:5GufPHXCo
音無君はけちだねえ
そういって苦笑いする社長の顔を思い浮かべる。
それを言われるたびに、
6:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/07/27(金) 02:25:56.60 ID:5GufPHXCo
ひょっとしたら、ずっとこの事務所で働き続けて、
出逢いなんてこの先ないまま一生を終えてしまうかもしれない。
もっともそんなものがあったとしても、
私にはきっと無理だと思い込んで
7:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/07/27(金) 02:26:36.39 ID:5GufPHXCo
その朝、目を覚ますと驚くほどに体がだるかった。
熱もありそうだし何よりのどがおかしい。
声が全くでないのだ。
8:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/07/27(金) 02:27:38.06 ID:5GufPHXCo
次の日になって、熱は下がったのだが
依然としてのどの様子はおかしかった。
声がまだ出ないのだ。
9:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/07/27(金) 02:28:16.48 ID:5GufPHXCo
「おかしいですねえ。咽頭には炎症がありませんねえ」
粘るような口調でその老医が言う。
小鳥はボールペンをノートに走らせた。
10:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/07/27(金) 02:29:12.96 ID:5GufPHXCo
[他に何か原因は考えられないんですか?]
「そうですねぇ…
たとえば、失恋をしたとか仕事が忙しくて休みがないとか
そういうの、ありませんか?」
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