過去ログ - 恒一「『ある年』の3年3組の追憶」
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146:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/08/06(月) 22:58:37.02 ID:4DOG5YTr0
「・・・ところで、柿沼さんが返した本はなんだったの?
さっきは慌ててたから、ちらっと見る暇もなかったよ」
お互いに喋ることもなく、黙々とただ道を歩いて行く中で、
この沈黙を破るかのように辻井君が尋ねてきた。
「永井路子の『山霧』だけど、そう言う辻井君は?」
「ぼく?司馬遼太郎の『最後の将軍』を読んでみたんだ。
すぐ読み終わったから、他に船橋聖一の『新・忠臣蔵』も借りて読んでるところさ。
ん?もしかして・・・」
「「辻井君(柿沼さん)って、大河ドラマ見てる・・・?」」
思わずハモってしまった。
「・・・っぷ、アハハハハ」
「もう、笑わないでよ。辻井君ってば・・・」
そう言う私も、可笑しさのあまり、すっかり吹き出してしまった。
なんだ、考えてることも一緒じゃないか。
二人とも、最近大河ドラマの原作本にはまっていたなんて。
「柿沼さんに言われて反省したんだ。
ミステリーとかサスペンスに偏らないで、もっと色んな本を読んでみようと思ってね。
と言うより、当分サスペンスとかはこりごりってのが本音だけど」
「私もライトノベルは、しばらく止めようかなと思ったの。
絵付きばかりだと、読む時の想像力が削がれちゃうし、
活字本は読む人によってみんな違う印象を持つから、面白いかなって・・・」
「じゃあ、これからしばらくは、
大河ドラマの原作になった歴史小説を、お互いに読んでいこうか。
ただ30作以上あるし、長編も多いから、中学の間に全部読み終えられるかな・・・」
「もし読み切れなかったら、高校生になっても、こうしてまた会おうよ。
高校だって、もしかしたら一緒かもしれないし」
「そうだね。楽しみにするよ」
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