1:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/08/18(土) 00:15:19.60 ID:IiA584goo
「財布を無くした!?」
事の起こりは、白い夏の日の昼下がり。
ボクらの前のテーブルには、雪歩の飲んだペットボトルが立っている。
中身は空っぽなのに、それは、すっかり汗をかいてしまっていた。
「真ちゃん、声が大きいよぉ」
「ご、ゴメン。でも大変じゃんか」
「細かいのとかは、小銭入れに入れてたからいいんだけど……」
「でも、貴重品とか入ってたんでしょ?」
「ううん、そういうのは別にしてあったし、大丈夫」
「それなら、新しいのを買えば――」
「それはダメ!!」
「ゆ、雪歩?」
「あっ、ごめんね?でも、ダメ、なの……」
そう言って、いつも以上に白くなった顔を隠すようにうつむく雪歩。
なす術もなく、途方に暮れようとしていると、後ろでドアの開く音がした。
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