過去ログ - 涼「嘘と裏切りと律子姉ちゃん」
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22:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)[saga]
2012/08/24(金) 20:23:36.03 ID:NZSihzP+o
『律子姉ちゃん』

 スピーカーから私を呼ぶ声がする。
 腕を顔から外し、首だけを持ち上げる。すると、隣の部屋からこちらを見る涼と目があった。

以下略



23:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)[saga]
2012/08/24(金) 20:25:05.19 ID:NZSihzP+o
――10日目

 この長方形の部屋には、本当にわずかなものしかない。
 長辺の壁面は一方が涼の部屋につながる透明な壁で、もう一方にはモニターと拘束用の磔台。

以下略



24:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)[saga]
2012/08/24(金) 20:26:01.01 ID:NZSihzP+o
『律子姉ちゃんが僕を拒絶しようとするからだよ』

 ぽちゃぽちゃとペットボトルを揺らしながら、彼は嘲弄する。だが、そこで、涼は小首を傾げた。

『このところは従順だったのに、どうしたの?』
以下略



25:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)[saga]
2012/08/24(金) 20:26:57.81 ID:NZSihzP+o
「ね、律子姉ちゃん」

 涼はしばらく私を見つめていたが、額に浮かんだ汗を拭ってから、声をかけてきた。

「律子姉ちゃん、僕を説得したりしないよね。なんで?」
以下略



26:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)[saga]
2012/08/24(金) 20:27:54.44 ID:NZSihzP+o
「一つだけ訊かせてほしいの」
「ん?」

「きっかけはなんだったの? あなたを、決意させたのは」

以下略



27:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)[saga]
2012/08/24(金) 20:29:17.52 ID:NZSihzP+o
――18日目

 ストックホルム症候群。あるいはその対となる、リマ症候群。
 監禁状態にある人間が犯人に感化される。あるいは逆に犯人のほうが人質を思いやるようになる。

以下略



28:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)[saga]
2012/08/24(金) 20:30:07.44 ID:NZSihzP+o
 思うに、涼の目的がわかってきた時が、一つの転機だったように思う。

 涼は、私には執拗に繰り返した性的陵辱を、まなみさんや石川社長には加えていない。当人がそう私に語ったわけではないが、彼女たちに対する
復讐行為について聞く限り、その気配がない。

以下略



29:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)[saga]
2012/08/24(金) 20:31:23.64 ID:NZSihzP+o
――24日目

『では、次のニュースです……』

 時折、涼の気まぐれで、壁のモニターにテレビ番組が映されることがある。リアルタイムなのかどうかもよくわからないが、外の世界の刺激は私をわずかばかり慰めてくれた。
以下略



30:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)[saga]
2012/08/24(金) 20:32:45.07 ID:NZSihzP+o
――30日目

 涼に言われてシャワーを浴びると、ベッドの上に服が一揃いあった。
 透明な壁の方を見ると、涼の姿はない。厨房にでもいるのだろう。
 ともかく、このスーツを着ろという指示だと判断して、それらを身につける。
以下略



31:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)[saga]
2012/08/24(金) 20:33:57.22 ID:NZSihzP+o
「ありがとう」

 涼にお礼を言われ、無条件に体が温かくなる。

「半年くらい前かな。社長から、例のことを言われたんだ」
以下略



32:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)[saga]
2012/08/24(金) 20:34:44.00 ID:NZSihzP+o
「僕は、律子姉ちゃんと一緒に始末するつもりだったんだよ。僕をね」

 やっぱり。予想通りだ。

「心中ね」
以下略



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