17:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方)[saga]
2012/08/30(木) 23:15:24.65 ID:i6e9y6l20
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学校を出ると、携帯には一件だけ着信が入っていた。お姉ちゃんだ。そういえば、今日の晩御飯の当番は私だった。
下駄箱で靴を履き替えながら携帯を閉じて、私は躊躇う間もなく昇降口を出た。
18:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方)[saga]
2012/08/30(木) 23:15:57.88 ID:i6e9y6l20
犬だ。
一歩踏み出しかけて、頭を振る。今日はこんなことばかりだ、と思う。嫌な予感がした。
せっかく息切れがおさまってきた身体を、私は無理に走らせた。
できるだけ公園の脇でへたりこむようにしている犬を気にしないように通り過ぎて――
19:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方)[saga]
2012/08/30(木) 23:18:06.85 ID:i6e9y6l20
今日は以上
それではまた
>>10
できるだけ読みやすいようにしているつもりですがやはり読みづらいでしょうか
20:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方)[saga]
2012/09/02(日) 19:25:16.98 ID:vKHLHb/h0
「は?」と声に出して、思わず固まる。
確かにはっきりと聞こえたその声は明らかに目の前で尻尾と耳を垂れているこの犬のもので。
妹「お恵みって、なに……」
21:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方)[saga]
2012/09/02(日) 19:25:44.16 ID:vKHLHb/h0
なんだか、圧倒される。
犬はじりじりと私に近付いてきて、さっきまで垂れ下がっていた耳はぴんとして、その尻尾はふらふらと揺れている。
妹「でも、本当になにも持ってな……って、ちょっと!」
22:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方)[saga]
2012/09/02(日) 19:26:35.03 ID:vKHLHb/h0
妹「あ、やめなさいって!」
がさごそと尻尾を振りながら私の鞄を漁る犬をなんとか止めようと立ち上がるも、既に遅かったらしい。
鞄の狭い口から顔を出した犬は、なにかをくわえていた。中身はきっとぐちゃぐちゃになっているに違いない。
23:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方)[saga]
2012/09/02(日) 19:27:01.57 ID:vKHLHb/h0
私は犬の口からチョコレートを取り返しながら、ふうと息を吐いた。
とりあえず安心する。
妹「これは、あんたにとって悪いもの、だから」
24:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方)[saga]
2012/09/02(日) 19:27:36.07 ID:vKHLHb/h0
犬は私の腕の中から抜け出すと、さっきの数倍しゅんと耳や尻尾を垂らして俯いた。
唾液で少し濡れた銀紙に包まれたチョコレート。これの他には今、なにも持っていない。
普段は自分から動物に関わることは避けていた。けれどあの鳥のように、時々私の中で「助けてあげたい」という厄介な気持ちが動き出す。
動物の声を聞き取ってしまう自分は嫌いだった。それでも、助けが必要なのは人も犬も同じで、この犬を今助けられるのは私だけなのだ。
25:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方)[saga]
2012/09/02(日) 21:43:36.92 ID:vKHLHb/h0
いつもより短いですが今日の更新は以上
26:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2012/09/07(金) 03:42:42.48 ID:fCg2o9JIO
スレタイが悪かったな
また書いてくれよ
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