3:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方)[saga]
2012/08/29(水) 23:49:40.02 ID:x68eWxlN0
姉妹の仲は別段悪いというわけではない。むしろ私が中学に上がってからはほとんどケンカはしなくなったし、良好と言えるだろう。
けれど、私はお姉ちゃんとの間に確かな距離を感じていた。というよりは、一方的に私が避けてるといえた。
昔はお姉ちゃんの後にばかりついていっていたのに、今じゃそんなこともなく、今年の春、たった数ヶ月前に入学した高校もお姉ちゃんとは違う学校で。
けれどお姉ちゃんの学校での様子は、私が聞かずとも勝手に耳に入ってきた。
さほど広い町ではないし、姉妹揃って私立高校に行けるほどのお金はあるわけなくって、お姉ちゃんが内部から進学した高校と私の通う公立高校は思ったよりも離れていないのだ。特にお姉ちゃんみたいな人の噂なんて、あっという間に辺鄙な田舎高校に広まってしまう。
それも悪い噂ではなく、お姉ちゃんがテスト何回連続一位だとかこの間の学校行事でトップだったとか、とにかくこの人は目立つのだった。
それに嫉妬していないといえば嘘になる。けれど、私はなによりもこんな姉の妹であることが嫌だった。
妹「目覚まし鳴ってた?」
姉「鳴ってない」
長くてきれいな黒髪に触れながら、お姉ちゃんはようやくリモコンを置いた。
起こしてよ、と言いかけて結局やめる。お姉ちゃんに頼るのはできるだけやめておきたかった。
けれど私はお姉ちゃんの後ろをまわって台所に立って、そして結局「お姉ちゃん」と声をかけずにはいられずに。
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